2009年1月28〜30日の3日間、東京ビッグサイトで開催される、カーエレクトロニクス関連の技術を集めた総合展示会「国際カーエレクトロニクス技術展(カーエレ JAPAN)」の直前情報第1弾として、カーエレ JAPAN 事務局長 岡部憲士氏と事務局次長 前薗雄飛氏からカーエレ JAPANの見どころについて話を伺った。
カーエレ JAPANは、カーエレクトロニクスにまつわるさまざまな技術を一堂に集めた展示会で、今回が初めての開催となる。半導体などのエレクトロニクスに携わるエンジニアにとっては、同時開催されるエレクトロニクスの製造技術、研究開発技術を集めた展示会「ネプコン ワールド ジャパン」がおなじみだが、カーエレ JAPANはこのネプコンに端を発する展示会だという。岡部氏はカーエレ JAPAN開催のきっかけを次のように話す。
「ネプコンの参加者を見ると、ここ4〜5年くらい自動車関係の仕事に携わっているエンジニアが多く来場されるようになりました。来場者のアンケートを見ると、『カーエレクトロニクスに特化したゾーン、あるいは展示会をネプコンと同時に開いてほしい』というリクエストが多く寄せられました。同時に出展社からも同様の要望があり、2年くらい前からいろいろな方々にヒアリングしながら、準備を進め、昨年のネプコンで発表、今年開催となりました」
第1回目となる今回は、250社が出展社として参加。「初回からアジア最大規模のイベントになります。自動車関連の技術を軸にこれだけの企業が集まる機会はなかなかないと思います」と前薗氏は胸を張る。また、同時開催するネプコンでもカーエレクトロニクス関連の展示を行う企業もあり、そうした企業も合わせるとかなりの数の企業が『自動車』をキーワードに集まる。
「自動車部品・車載システム」「電子部品・デバイス」「組込みシステム技術」「テスティング」「製造装置/技術」「電子材料」の6つのゾーンに分かれて展示を行う。多くの企業がカーエレ JAPANに合わせて新製品や新技術を発表するという。
「この展示会で初めてお目見えする部材や、ソリューションがたくさんあります。エンジニアにとっては見逃せない展示会になると思います」と岡部氏は話す。
特設展示される電気自動車も注目だ。オートイーブィジャパン「ジラソーレ」、ゼロスポーツ「ゼロEV エレクシードRS」、トヨタ車体「コムス(デリバリー)」、タケオカ自動車工芸の参考出展車と1人あるいは2人で手軽に乗れる電気自動車が展示される。
「電気自動車は注目の分野ですし、これからの環境問題を考える中でも柱になるのではないでしょうか。普段、自動車関連のイベントでよく見る電気自動車だけではなく、小型で少人数というところに特化した形での展示も珍しいでしょう」
展示会と同時に技術セミナーも開催される。
「展示会は世界規模のものを目指します。同時にセミナーも世界的に見ても超一流のセミナーにすることをコンセプトにしています」と岡部氏が自信を見せるセミナーは、全部で11セッションに分かれて行われる。
初日である28日の10時からは「環境時代に対応したクルマづくりとは?」をテーマに基調講演が行われる。トヨタ自動車 常務役員 重松崇氏による「持続可能な自動車産業を目指して 〜パワーエレキと情報通信技術の展望〜」、Continental, Chassis & Safety, Technology Intelligence, Director James Remfrey氏による「ContiGuard 〜今日の安全技術とその未来〜」、日興シティグループ証券 株式調査部 マネジングディレクター 松島憲之氏の「未体験ゾーンに突入した自動車業界 〜生き残りの鍵は環境技術と生産革命〜」という3つの講演が予定されている。
そのほかの技術セミナーにも注目すべきセッションが多い。初日には電気自動車にまつわるセッションが設けられているほか、「Google・ヤフー・日産・オリックスが語る! IT/ITSが創るクルマ社会とは?」と題したセッションが開かれ、グーグル シニア プロダクト マネージャー 及川卓也氏やYahoo! JAPAN 事業推進本部 デジタルホーム事業室 室長 坂東浩之氏らが講演を行う。
グーグルやヤフーといったネット企業が、カーエレクトロニクスという分野でどのような取り組みをしているのかぜひチェックしたい。
2日目以降も、電気自動車を支える「モーター」や「インバータ」のセッション、「電池」に関するセッションのほかに、「機能安全」「ネットワーク」といったセッションまで盛りだくさんの内容が予定されている。
「カーエレクトロニクスに携わるのエンジニアをはじめとする、来場者の方にとっての課題について、セミナーや展示会を含めたカーエレ JAPANなら解決できる。そういった内容になっています。現在、景気が悪いといわれていますが、こういう時代だからこそ、皆さんの技術を高める、研究を進めるためにこうした展示会を活用してもらえればと思います」と岡部氏は話す。
来場者にとってみても、展示会はさまざまな技術を一目で見ることができる場であり、効率がいいのではないだろうか。250社が出展する巨大な展示会では、なかなか1日だけでは回りきれない。
「セミナーや展示のほかに、併設されている展示会もあるので、2日間、3日間の参加をお勧めします」と前薗氏。また参加する前の準備も重要だ。カーエレ JAPANのWebサイトにある、「e-ガイドブック」で出展社の情報を検索することができる。事前に出展社をチェックして当日に備えるといいだろう。
引き続き、@IT MONOistではカーエレ JAPANの情報を取り上げる。
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