資生堂は、肌を切らずに、顔全体の毛細血管を3次元で繊細に可視化することに成功した。顔全体のケアや、将来的には血管による肌状態の予測など、さまざまな応用が期待できる。
資生堂は2020年10月14日、肌を切らずに、顔全体の毛細血管を3次元で繊細に可視化することに成功したと発表した。ワシントン大学との共同研究による成果だ。
同社は2017年に、肌を傷つけずに皮膚血管の構造を深さ別に高解像度で画像化する光干渉断層血管撮影技術(OCTA)を応用して、顔の毛細血管を観察する技術を開発。この技術では観察範囲が最大で12×12mmと狭かったが、今回新たな血管検出システムを適用することで、より広い視野で肌の血管を捉えられるようになり、顔全体の毛細血管を可視化できるようになった。
顔は呼吸などによる体動の影響が大きく、立体的な構造をしているため、従来の技術では広範囲の血管を可視化することが難しかった。資生堂はこれまでに、毛細血管が肌のシミやハリなど美容と密接な関係があることを、さまざまな視点から明らかにしている。
今後、血管研究をさらに進め、顔全体のケアや将来的には血管による肌状態の予測など、さまざまな応用が期待される。
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