単一のAIモデルで混合音から音源の種類を指定して分離する技術、三菱電機が開発人工知能ニュース

三菱電機は、混合音から音源の種類を指定して分離する単一のAIモデル向け技術を開発した。製造現場などの複雑な音環境において高度な状況理解を可能にし、フィジカルAIシステムの信頼性向上に貢献する。

» 2026年09月14日 14時00分 公開
[MONOist]

 三菱電機は2026年8月31日、マイクで収音した混合音から音源の種類を指定して目的の音を抽出する単一のAI(人工知能)モデル向け技術として、「タスク汎用音源分離技術」を開発したと発表した。製造現場や公共空間で発生する多様な音を正確に聞き分けることで、複雑な状況理解を可能にし、フィジカルAIを導入したシステムの信頼性向上に貢献する。2027年度中のフィジカルAIへの実装や製品適用を目指す。

キャプション タスク汎用音源分離のイメージ図[クリックで拡大] 出所:三菱電機

 同技術は、米国現地法人のMitsubishi Electric Research Laboratoriesと共同開発したもので、分離したい音の種類や数をプロンプトで指定する手法を採用。これにより、会話や機械稼働音、環境音、音楽などが混在する環境から、複数話者の声を分ける「音声分離」、ノイズを除去する「音声強調」、異なる機械音を分ける「機械音分離」など、複数の音源分離タスクを単一のAIモデルで実行できる。抽出した音は、異常検知や音声認識、音声操作、現場記録といった推論処理に活用可能だ。

キャプション 抽出した音の活用例[クリックで拡大] 出所:三菱電機

 実装面では、演算量を削減する高速化技術により、エッジデバイスやロボット、監視システムといった計算リソースに限りのある機器への適用を可能にした。さらに、マイクの本数に依存せず単一モデルで処理するアルゴリズムを開発し、多様な入力デバイスに対応する。

 音源の種類に応じて符号化するコーデック技術も開発しており、音をトークン化して大規模言語モデルへ直接入力することで、AIエージェントの状況理解や判断に聴覚機能を付与できる。

 今後は、自社のデジタル基盤「Serendie」を活用し、異常検知や音声認識などのAIシステムと連携させることで、現場の音を起点としたデータ活用を推進していく。

⇒その他の「人工知能ニュース」の記事はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

特別協賛PR
スポンサーからのお知らせPR
Pickup ContentsPR
Special SitePR
あなたにおすすめの記事PR