PFASについて調べると、「Forever Chemicals(永遠の化学物質)」という言葉が出てきます。これは、PFASの中に非常に分解されにくい物質があることを強調した表現です。
ただし、「全てのPFASが永遠に残る」という意味ではありません。PFASには1万種類以上の物質があるとされ、それぞれ性質が異なります。
従って、企業がPFASについて調査するときも、「PFASだから全部同じ」と考えるのではなく、「どの物質なのか」を確認することが重要です。この点は、PFAS対応を考える上で非常に重要な考え方です。
PFOSはPFASの一種で、過去には撥水/撥油性や化学的安定性などを利用して、さまざまな用途で使用されてきました。ここでは化学構造式を詳しく覚える必要はありません。
まず、PFOS=PFASの中に含まれる代表的な物質と理解してください。
PFOSは、PFAS問題の中でも特に長い規制の歴史を持つ物質の1つです。国際的には2009年、ストックホルム条約の附属書Bに掲載されました。
ストックホルム条約は、残留性有機汚染物質(POPs)について、国際的な規制を進めるための条約です。
ここで注意したいのは、附属書Bは「附属書Aと同じ全面的な廃絶」という意味ではなく、一定の条件の下で制限する仕組みだということです[参考資料10]。
日本では、PFOSまたはその塩が化審法の第一種特定化学物質として規制されています。第一種特定化学物質に指定されると、製造/輸入の許可制など、厳しい規制が適用されます。
PFOAは、ペルフルオロオクタン酸の略称です。英語では「Perfluorooctanoic acid」と表記されます。
PFOAもPFASの一種です。つまり、PFOSもPFAS、PFOAもPFASです。しかし、PFOS=PFOAではありません。この違いをしっかり理解しておきましょう[参考資料11]。
PFOSとPFOAは、どちらもフッ素化された炭素鎖を持つ代表的なPFASですが、化学構造に違いがあります。
大まかに言えば、
です。
ここで、「スルホン酸」「カルボン酸」という言葉を詳しく覚える必要はありません。実務上は、PFOSとPFOAは別の化学物質だが、どちらもPFASに含まれると覚えてください[参考資料12]。
ここまで説明した内容を図にすると、PFASの関係は次のようになります。
つまり、PFASが「大分類」、PFOS、PFOA、PFHxSなどが「その中の物質」です。ここを逆に理解しないことが重要です。「PFOS=PFAS」ではありません。正しくは、「PFOSはPFASの一種」です。同様に、「PFOAはPFASの一種」です[参考資料12]。
PFOS/PFOAは、過去に幅広い用途で使用されてきました。環境省も、PFOS・PFOAについて幅広い用途で使用されてきた物質であると説明しています。
そのため、環境中で検出される可能性や、人/生物への曝露(ばくろ)を考える上で重要な物質となりました。
PFOS/PFOAは、環境中で分解されにくい性質などが問題となってきました。環境省は、PFOS/PFOAについて、難分解性、高蓄積性、長距離移動性という性質を挙げています。こうした性質が、国際的な規制の対象となった背景の1つです。
PFOSは2009年にストックホルム条約附属書Bへ掲載されました。PFOA、その塩およびPFOA関連物質は2019年に附属書Aへ掲載されました。
さらにPFHxSは2022年に附属書Aへ追加されています。この流れを見ると、PFOS/PFOAを中心に始まった国際的な規制が、ほかのPFASへ広がっていることが分かります。従って、「PFAS規制=PFOS/PFOAだけ」と考えるのは適切ではありません[参考資料13]。
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