CMPコンソーシアムは2026年10月にCMPのリリースを予定しており、同仕組みをどのようにスケールアップし、多くの企業に参画してもらうのかを最大の課題として捉えている。現在は約500社の企業を対象に大規模検証を進めており、多くの企業がCMPを評価しているという。
古田氏は「CMPの普及やスケールアップに向けた課題として、サプライチェーンはさまざまな中小企業が多く関わっているため、これらの企業をどうやって巻き込んでいくのかが、非常に大きな課題となっている。現在は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)から支援を受けながら、中小企業向けの研修制度を立ち上げている。また、中小企業がしばらくの間CMPを無償で使用可能な仕組みを作ることを検討している。CMPは、実際に使ってみて初めて価値を感じることができ、『これだったら自分たちも本格的に導入しよう』という形になる。そのため、中小企業に関してはこのような仕組みを導入することで、CMPの拡大を図っていきたい」と狙いを語る。
また、タイやインドネシア、ベトナム、マレーシア、フィリピンといった東南アジアに向けてCMPの展開準備を進めている。まずは2026年にタイで海外展開に向けた調査を実施し、将来的には日本版のCMPと東南アジア版のCMPを構築して、情報の相互連携が可能な状態を目指している。
近年ではE-waste(電気電子機器廃棄物)の量が年々増えており、国連の発表によると、現在の状況が続くことで2030年には8200万トンのE-wasteが発生すると予測されている。正規ルートで回収/リサイクルされている電気電子機器は2022年の時点で22.3%と非常に低く、埋め立てや投棄されている製品がほとんどだという。
古田氏は「電気電子機器に使用する金属を採掘できる鉱山が今後何年持つのかという指標について、米国の発表内容によると20年〜30年で一部の金属(スズや亜鉛、金、鉛、セレン、クロム、銀など)が枯渇するといわれている。そのため、循環型社会をしっかりと作らないと、この先の人類の発展は危ぶまれるのではないかと実感している」と強調する。
このような背景を踏まえて、CMPコンソーシアムは資源循環の情報を正しく把握できる仕組みとして「RMP(Recycle Management Platform)」を構想した。同仕組みはCMPによる材料情報と化学物質情報を活用して資源循環の情報を見える化し、リサイクル材の活用を促進する。これにより、化学物質情報やリサイクル情報が製品デジタル情報として消費者からリサイクラーまで伝達されることで、資源循環を促進できる。
RMPについては2026年度にPoC(概念実証)を実施し、2027年度以降に基本設計に着手予定だ。古田氏は「CMPは“動脈側”の情報連携を図る仕組みであり、これを活用して“静脈側”の情報連携を図る仕組みであるRMPを作っていきたい。今のリサイクルの流れは、捨てられた製品にどのような材料や化学物質が含まれているのかという動脈側の情報が不足しており、静脈側に情報が回っていないという現状がある。そのため、この動脈側の情報を静脈側にしっかり連携させることで、資源循環の流れを作っていきたい」と抱負を述べた。
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