サプライチェーンの“問い合わせの連鎖”を解消 新たな情報伝達の仕組み「CMP」サプライチェーン改革(1/2 ページ)

NTTデータとNTTデータグループが主催するイベント「Data Spaces in Action 2026」にCMPコンソーシアム 代表幹事の古田清人氏が登壇した。本稿では製品の含有化学物質の情報伝達といったサプライチェーンの情報伝達を効率化する新たな仕組み「CMP(Chemical and circular Management Platform)」を中心に講演内容を紹介する。

» 2026年07月31日 06時00分 公開
[坪田澪樹MONOist]

 NTTデータとNTTデータグループは2026年7月24日、東京都内でイベント「Data Spaces in Action 2026」を開催した。本稿では同イベントに登壇したCMPコンソーシアム 代表幹事の古田清人氏による講演内容を紹介する。

“問い合わせの連鎖”を防ぐ新たな仕組み「CMP」とは何か

CMPコンソーシアムの古田清人氏

 日本の製造業は海外売上比率を高めながら成長を続けている。一方世界各国においては、環境リスクを減らすために、REACH規制をはじめとした製品含有化学物質規制の導入/強化が進んでおり、各企業で対応が必須となっている。

 古田氏は「化学物質の規制は大体年2回アップデートされている。2000年より前は工場の中の化学物質をどのように管理するかといった規制が中心だったが、EUにおけるRoHS規制やREACH規制など、製品の中に入っている部品やその部品を構成する材料、その材料に使用されている化学物質を把握してモノづくりに取り組まなければならなくなった」と語る。

 含有化学物質の規制に伴い、さまざまな国際規格が誕生し、chemSHERPA(ケムシェルパ)といった情報伝達フォーマットも活用されるようになった。古田氏は「chemSHERPAはExcelのフォーマットを少し発展させたようなものであり、メールにchemSHERPAフォーマットを添付して情報連携を取っていた。しかし、今までの情報伝達のやり方では対応が追い付かなくなり、今後はもっとデジタル化を進めなければならないということでCMPコンソーシアムを立ち上げてきた」と述べる。

 従来の情報伝達のやり方だと、まず完成品メーカーから部品メーカーに向けてどのような材料が使用されているのかchemSHERPAのフォーマットを添付したメールを送信する。これを受けた部品メーカーは、製造に使用している材料に含まれている化学物質を調べるため、材料メーカーに向けて同様にメールを送信するといった、“問い合わせの連鎖”が発生していた。この一連のやりとりを規制が変わるごとに繰り返していたため、膨大な工数がかかっていた。

 この課題を解決するためにCMPコンソーシアムは、約5年前から自動車メーカーや電機メーカーなどと議論を重ね、最終的にブロックチェーンを活用して製品ベースにサプライチェーンをつなぐ仕組み「CMP(Chemical and circular Management Platform)」という結論に至った。古田氏は「サプライチェーンの中に製品ベースで一度チェーンをつないでしまえば、法律が改正された後でも上流側のメーカーでデータをアップデートすれば、それが自動的に下流の方に流れるという仕組みを作ることができる。そのため、今までのような調べ直しを何回も繰り返す必要がなくなり、ブロックチェーンの技術によってデータ改ざんの有無の検知も容易になる。われわれはこの仕組みを定着させるということを目指している」と強調する。

 CMPを導入することで企業にとってどれぐらいの効果を生むのかについて議論をたくさん交わし、最低でも25%の工数削減効果を実現できると見積もりが立った。これを受けて経済産業省からは企業や業界、国境をまたぐ横断的なデータ連携/システム連携の実現を目指す「ウラノス・エコシステム(Ouranos Ecosystem)」の活用を提示され、同システムを活用して、CMPの仕組みの構築を目指すこととなった。

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