三菱自の2025年度の世界生産は、前年度比0.4%増の91万3279台と微増だが、4年ぶりに前年度実績を上回った。8社の順位でもスバルを上回り、7位となった。このうち国内生産は、同2.2%増の48万8983台と2年ぶりのプラス。大幅改良した「デリカD:5」や、新型を投入した軽自動車「デリカミニ」、日産にOEM(相手先ブランドによる生産)供給する「ルークス」が貢献した。輸出は同0.3%減の23万6605台と2年連続のマイナスだったが、北米向けは同6.5%増とプラスを確保した。
海外生産は、前年度比1.6%減の42万4296台と4年連続の前年割れ。三菱自が得意とする東南アジアでの市場低迷が響き、タイやフィリピンの生産が落ち込んだ。ただ、インドネシアは、新興国戦略車の新型SUV「デスティネーター」の生産開始などにより増加した。
足元でも回復が鮮明だ。3月単月の世界生産は、前年同月比17.9%増の8万6982台と5カ月連続で前年実績を上回った。中でも国内生産は、同26.0%増の5万1761台と6カ月連続で増加。新型を投入したデリカミニやルークスなどが貢献した。輸出も同46.1%増の2万4097台と2カ月連続のプラス。北米向けも同27.4%増と好調だ。さらに海外生産も、同7.9%増の3万5221台と3カ月連続で増加。デスティネーターがけん引している。2026年度も東南アジアで新興国戦略車を中心に攻勢を強める方針で、5月8日の決算説明会で同社 副社長の五十嵐京矢氏は「ベトナムとタイで伸ばしていく。タイはようやく落ち込みが止まった。新型クロスカントリーSUVをタイで生産する」と説明した。
EVの生産対応で減産を余儀なくされたのがスバルだ。2025年度の世界生産は、前年度比7.0%減の88万97台と2年連続で前年度実績を下回った。8社の順位では三菱自に届かず最下位となった。特に国内生産が同12.8%減の52万4821台と低迷し、2年連続のマイナス。これは群馬製作所矢島工場(群馬県太田市)で2025年8月から2026年1月にかけてEV混流生産に向けてラインの改修工事を実施し、一部の生産ラインを停止した影響が表れた。これに伴い輸出も同13.2%減の43万6632台と2年連続で減少した。唯一の海外拠点である米国生産は、同3.1%増の35万5276台と2年ぶりのプラスだった。8月以降にサプライヤーの設備トラブルによる一部部品の納入遅れは発生したが、前年がコロナ禍後の挽回生産を踏まえて生産調整していたこともあり、年度トータルではプラスを確保した。
3月単月の世界生産は、前年同月比11.5%増の8万1873台と2カ月ぶりの前年超え。海外生産が、前年に発生したサプライヤーからの部品納入遅れの反動増で、同74.9%増の3万7399台と大きく伸長し、2カ月連続のプラスだった。ただ、国内生産は、矢島工場での改修工事は完了したものの、立ち上げでEVのみの生産としているため、同14.6%減の4万4474台と2カ月連続で減少した。これに伴い輸出も同15.3%減の3万7504台と落ち込み、2カ月連続のマイナスだった。
なお、スバルも主要市場の米国でEV需要が低迷していることを受けて、EV関連投資を見直しており、2025年度決算ではEV関連の減損として578億円を計上した。さらに、5月15日の決算会見で、2028年までに投入を予定していた自社開発EVを延期する方針を明らかにした。同社 社長の大崎篤氏は「米国は環境政策の緩和でEV普及のスピードが緩やかになっており、マーケットを見ながら投入の戦略を立て直す」と述べた。
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