スズキが5カ月連続で自動車生産2位、電動車戦略見直しのホンダを尻目に自動車メーカー生産動向(1/3 ページ)

2026年1月の日系自動車メーカーの世界生産台数は、トヨタ自動車、日産自動車、マツダの3社が減少し、2カ月ぶりの前年割れとなった。4割近くを占めるトヨタが減少した影響が大きく表れた。また、米国とイスラエルによるイランへの攻撃で中東情勢が緊迫しており、自動車産業の先行きを見通すことも非常に難しくなってきている。

» 2026年03月24日 08時00分 公開
[MONOist]

 日系自動車メーカー8社の2026年1月の世界生産合計は、トヨタ自動車、日産自動車、マツダの3社が減少し、2カ月ぶりの前年割れとなった。ネクスペリアの半導体供給問題から回復したホンダや、インドが好調なスズキなどプラス要因もあったものの、4割近くを占めるトヨタが減少した影響が大きく表れた格好だ。とはいえ、日系メーカーが得意とするHEV(ハイブリッド車)の人気など、日本車に対する需要は底堅く、米国トランプ政権による新たな相互関税も自動車には直接的な影響はないとみられる。ただ、米国とイスラエルによるイランへの攻撃で中東情勢が緊迫している。これに伴う世界経済への打撃や、原油や原材料の調達、海上輸送への影響など、事業環境の変化が激しく、自動車産業の先行きを見通すことも非常に難しくなってきている。

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 1月の8社合計の世界生産は、前年同月比1.6%減の193万4522台と減少した。このうち国内生産は、同1.0%減の64万2083台と、2カ月ぶりのマイナスだった。トヨタ、スズキ、日産、マツダの4社が前年割れとなり、明暗が分かれた。

 海外生産は、前年同月比1.9%減の129万2439台と2カ月ぶりの前年割れ。プラスとなったのはスズキ、ダイハツ工業、三菱自動車の3社だった。地域別では、主要市場の北米の落ち込みが大きく、同10.0%減の40万9988台と2カ月ぶりのマイナス。中国も同5.6%減の20万7363台と4カ月連続で減少した。

2026年1月の国内乗用車メーカーの生産実績
国内 海外 (うち北米) (うち中国) 合計
トヨタ 249,827 485,270 134,351 117,092 735,097
▲ 6.1 ▲ 5.9 ▲ 24.8 3.6 ▲ 6.0
スズキ 79,063 243,251 - - 322,314
▲ 2.7 8.7 - - 5.6
ホンダ 51,081 223,265 139,348 38,125 274,346
13.9 ▲ 0.2 15.7 ▲ 27.2 2.1
日産 47,168 175,763 85,532 44,441 222,931
▲ 9.5 ▲ 6.6 ▲ 11.7 ▲ 4.9 ▲ 7.2
ダイハツ 67,965 66,526 - - 134,491
16.1 11.0 - - 13.5
マツダ 61,328 31,933 21,098 7,705 93,261
▲ 6.8 ▲ 19.6 ▲ 29.5 10.9 ▲ 11.6
三菱自 44,424 36,772 - - 81,196
4.4 13.3 - - 8.3
スバル 41,227 29,659 29,659 - 70,886
10.3 ▲ 0.6 ▲ 0.6 - 5.4
合計 642,083 1,292,439 409,988 207,363 1,934,522
▲ 1.0 ▲ 1.9 ▲ 10.0 ▲ 5.6 ▲ 1.6
※上段は台数、下段は前年比増減率。単位:台、%
※北米は、米国、カナダ、メキシコの合計

トヨタ自動車

 メーカー別に見ると、トヨタの1月の世界生産台数は、前年同月比6.0%減の73万5097台と3カ月連続で減少した。このうち国内生産は、同6.1%減の24万9827台と3カ月連続で前年実績を下回った。国内市場向けの需要は堅調なものの、前年同月に比べて稼働日が少なかったことが響いた。輸出も同9.8%減の13万3441台と3カ月連続で減少した。なお、トヨタは、中東情勢の緊迫を受けて、3月末まで中東向け車両の生産を大幅に減らす計画で、主要部品メーカーに伝えたことが判明した。

 海外生産も、前年同月比5.9%減の48万5270台と2カ月ぶりのマイナスだった。地域別で見ると、主要市場の北米が同24.8%減の13万4351台と大幅減となり、12カ月ぶりにマイナスへ転じた。「RAV4」を新型に切り替えた影響の他、稼働日も前年より減少した。内訳は米国が同9.8%減の9万2341台。RAV4を生産するカナダは同66.6%減の1万6592台だった。メキシコも同4.1%減の2万5418台とそろって前年割れとなった。

 一方、中国は前年同月比3.6%増の11万7092台と4カ月ぶりのプラス。「カローラクロス」などが好調に推移した。アジアでは、主力拠点のタイも市場環境が厳しい中、「ヤリスクロス」や「ヤリスエイティブ」の伸長により同25.1%増の4万8977台と大幅増を記録。ローン審査の厳格化や追加課税などで厳しい環境のインドネシアも「イノーバ」や「ハイラックス」などが増加し、同3.0%増の2万2921台とプラスを確保。台湾(同6.8%増)やフィリピン(同20.4%増)、マレーシア(同8.5%増)なども増加した。アジアで唯一伸び悩んだのがインドで、稼働日が減少したことにより同5.4%減の3万2104台と減少した。アジアトータルでは同7.1%増の25万1428台と3カ月ぶりに前年実績を上回った。欧州は、堅調な需要を受けてトルコが同28.0%増の2万2054台と大きく伸長。英国やフランスの落ち込みをカバーし、欧州トータルでも同0.1%増の7万2717台と3カ月連続で増加した。

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