メーカー別に見ると、トヨタの2025年度の世界生産台数は、前年度比2.2%増の989万2822台と2年ぶりにプラスへ転じた。このうち国内生産は、同0.2%増の324万2125台と2年ぶりに増加した。国内販売が堅調に推移したことに加えて、前年度の2024年度に発生した「プリウス」の後席ドアハンドルの不具合によるリコール、「ノア/ヴォクシー」「アルファード」などの生産工程を確認するための稼働停止や認証不正問題、「ヤリスクロス」「カローラフィールダー/アクシオ」の生産停止に対する反動増もプラスに働いた。輸出も、主力の北米をはじめ、中南米、欧州、アフリカ向けなどが伸長し、同3.1%増の200万1019台と2年ぶりに前年度実績を上回った。
海外生産も、前年度比3.2%増の665万697台と2年ぶりに増加した。地域別では、主要市場の北米は、同5.2%増の218万3262台と5年連続のプラス。カナダは「RAV4」を新型に切り替えた影響で同10.6%減の47万9635台と落ち込んだが、「カムリ」「カローラ」などHEVが好調だった他、2024年度に運転席エアバッグのリコールで「レクサスTX」と「グランドハイランダー」を生産停止した反動もあり、米国が同11.4%増の139万3718台、メキシコが同7.9%増の30万9909台と、カナダの落ち込みをカバーした。競争激化が鮮明な中国も、新型EV「bZ3X」や「bZ5」、HEVの好調に加えて、政府の補助金政策と連動した販売促進策などが奏功し、同1.5%増の157万1501台とプラスを確保し、3年ぶりに前年度実績を上回った。中国以外のアジアも、タイは「ヤリスエイティブ」や新型「ハイラックス」の好調などで、同11.1%増の59万467台と2桁%増を記録。インドネシアもローンの厳格化や追加課税の導入など厳しい環境の中、輸出需要の拡大により同2.4%増の26万6630台と増加。インドは「アーバンクルーザーハイランダー」や「イノーバハイクロス」などの販売好調が続いている他、GST(物品サービス税)の引き下げの効果もあり、同3.1%増の39万8396台とプラスを確保した。フィリピンやマレーシア、パキスタンなども増加し、アジアトータルでは同3.5%増の317万2808台と2年ぶりの前年超えとなった。欧州はHEVなどの堅調な需要に支えられ、同0.1%増の81万5009台と2年ぶりに増加した。
2025年末あたりから伸び悩みを見せていたトヨタだが、3月単月の世界生産は、前年同月比2.1%増の90万2210台と5カ月ぶりにプラスへ転じ、3月として過去最高を更新した。けん引役は海外生産で、同4.9%増の60万8784台と3カ月ぶりに前年実績を上回った。地域別では、主要市場の北米は、引き続き新型RAV4への切り替えの影響はあるものの、HEV人気に支えられ、同0.9%増の20万1283台と3カ月ぶりのプラス。中国も、新型EVやHEVが好調だったこともあり、同7.7%増の14万7217台と2カ月ぶりのプラス。中国以外のアジアは、タイがヤリスエイティブHEVや新型ハイラックスの好調で同19.2%増の5万7731台と2桁%増を記録。ただ、インドネシアはラマダンの期ずれで前年より稼働日が減ったことが響き、同10.9%減の1万9078台。インドも同5.4%減の3万1739台と減少した。それでも中国やタイの好調により、アジアトータルでは同5.8%増の28万3670台と2カ月ぶりに増加した。欧州も堅調な需要が続いており、同3.3%増の7万3689台と5カ月連続で増加した。
海外が好調な一方で、国内生産は、前年同月比3.3%減の29万3426台と5カ月連続の前年割れだった。これについてトヨタは「需要は堅調で前年並み」としている。実際にトヨタでは受注を停止しているモデルが多い状況で、国内市場向けの車両供給が課題となっている。なお、国内販売では、「自動車税環境性能割」の廃止を見据えて車両登録を4月以降に先延ばしする動きが広がったため、3月はヤリスやカローラ、プリウス、アルファードなど主力モデルがそろって大きく台数を落とした。ただし、4月には回復を見せており、生産への影響はなかったとみられる。
また、国内生産への影響では、中東情勢の緊迫化が影を落としている。トヨタは3月から中東向け車両の生産を停止。その結果、3月の輸出も前年同月比8.9%減の16万3520台と2カ月ぶりに減少した。依然として不透明な中東情勢に対して、5月8日の決算会見で同社 経理本部長の東崇徳氏は「中東には年間50万〜60万台を輸出している。(2026年度は)その半分弱が影響を受ける前提で考えている」と説明した。
トヨタグループ傘下のダイハツは、認証不正問題の影響による反動増などで、8社の中で最も高い伸びを見せた。2025年度の世界生産は、前年度比8.9%増の156万6789台と3年ぶりに前年度実績を上回った。国内生産では、2025年4月にかけて中央発條の爆発事故による稼働停止が発生した他、仕入れ先からの部品供給の不足で7月に滋賀工場(滋賀県竜王町)と大分第2工場(大分県中津市)で稼働を停止した。ただ、2024年11月に継続生産車にも適用された新たな法規対応に間に合わない一部車種の生産を2025年2月頃まで停止した反動増が発生した。さらに、認証不正問題で発売を延期していた新型「ムーヴ」を6月に投入。ムーヴの好調もプラスに働き、その結果、国内生産は同24.9%増の82万637台と2年連続で増加した。内訳は、軽自動車が同20.3%増の57万6363台、登録車が同37.5%増の24万4272台だった。
一方で、海外生産は伸び悩んでおり、2025年度は前年度比4.6%減の74万6152台と3年連続で減少した。要因はインドネシアで、自動車ローンの金利上昇などにより市場が低迷しており、同9.6%減の38万1101台と3年連続のマイナス。ただ、マレーシアは好調で、同1.3%増の36万5051台と4年連続で増加。2024年度に続き、年度として過去最高を更新した。
足元でも傾向は大きく変わらない。3月単月の世界生産は、前年同月比12.5%増の12万8265台と7カ月連続で前年実績を上回った。国内生産が好調で、同44.0%増の7万8068台と8カ月連続のプラス。内訳は軽自動車が同25.5%増の5万6018台と好調だった他、登録車に至っては同130.4%増の2万2050台と倍増した。一方、海外生産は同16.0%減の5万197台と2カ月連続のマイナス。8社の海外生産で最も大きな減少率となった。インドネシアが同14.5%減の2万7313台と3カ月ぶりに減少した他、マレーシアも同17.7%減の2万2884台と2カ月連続の前年割れだった。
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