帝人の当期純損失は880億円、マテリアルセグメントの事業利益は1億円製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

» 2026年05月15日 07時00分 公開
[遠藤和宏MONOist]
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中東情勢の影響への対応

 今回の会見では、2026〜2028年度を対象とした中期経営計画の軸となる顧客領域別にセグメント区分を変更して2026年度以降は開示することも明かされた。

 マテリアルセグメントの樹脂事業とその他事業の電池部材・メンブレン事業は「エレクトロニクス&エナジーセグメント」に、マテリアルセグメントのアラミド事業、炭素繊維事業、複合成形材料事業は「スペシャリティマテリアルズセグメント」に、繊維・製品セグメントは「アパレル&インダストリーズセグメント」に、ヘルスケア事業は「ヘルスケア&ライフソリューションズセグメント」に変更される。

開示セグメントの変更 開示セグメントの変更[クリックで拡大] 出所:帝人

 2026年度の通期業績見通しに関して、同年度の売上高は前年度比232億円減の8500億円で、事業利益は同42億円増の300億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同1330億円増の450億円になる見込みだ。

2026年度の通期業績見通しサマリー 2026年度の通期業績見通しサマリー[クリックで拡大] 出所:帝人

 セグメント別では、エレクトロニクス&エナジーセグメントの売上高は同1億円増の1500億円で、事業利益は同39億円減の150億円となる。同セグメントでは、販売量が引き続き堅調に推移するも、樹脂のスプレッド悪化により減益となる見通しだ。

エレクトロニクス&エナジーセグメントの事業利益増減分析(前年度比) エレクトロニクス&エナジーセグメントの事業利益増減分析(前年度比)[クリックで拡大] 出所:帝人

 スペシャリティマテリアルズセグメントの売上高は同428億円減の1700億円で、事業利益は同120億円増の30億円だ。同セグメントでは、アラミド事業が操業度の改善や減損による償却費減で増益となると見込む。炭素繊維は航空機用途の販売量増加、コスト構造改革の進展により増益となる見通しだ。

スペシャリティマテリアルズセグメントの事業利益増減分析(前年度比) スペシャリティマテリアルズセグメントの事業利益増減分析(前年度比)[クリックで拡大] 出所:帝人

 アパレル&インダストリーズセグメントの売上高は同499億円増の4000億円で、事業利益は同19億円増の190億円になると見込む。同セグメントでは、衣料繊維/産業資材の各用途で販売堅調となる他、旭化成アドバンスとの経営統合効果は下期より段階的に発現し増収となる見通しだ。

アパレル&インダストリーズセグメントの事業利益増減分析(前年度比) アパレル&インダストリーズセグメントの事業利益増減分析(前年度比)[クリックで拡大] 出所:帝人

 ヘルスケア&ライフソリューションズセグメントの売上高は同286億円減の1100億円で、事業利益は同34億円減の100億円になると見込む。同セグメントでは、CPAPレンタル台数増加や前期末減損による償却費が減少するも、医薬品ビジネスの絞り込みにより減益となる見通しだ。

ヘルスケア&ライフソリューションズセグメントの事業利益増減分析(前年度比) ヘルスケア&ライフソリューションズセグメントの事業利益増減分析(前年度比)[クリックで拡大] 出所:帝人
2026年度におけるセグメント別の通期業績見通しサマリー 2026年度におけるセグメント別の通期業績見通しサマリー[クリックで拡大] 出所:帝人

 なお、中東情勢の緊迫化による原燃料価格高騰などの影響は現時点では織り込んでいないが、コスト削減や価格への転嫁、在庫確保の注力などにより影響の最小化を図る方針を示している。

 中東情勢の悪化による影響としては、「原燃料価格上昇」「原燃料などの確保に伴う生産への影響」「顧客需要への影響」を挙げている。

 嶋井氏は「『原燃料価格上昇』に対しては、まずは自助努力として、コスト削減や生産性向上などの合理化を進める。それでもカバーしきれないコスト増については、販売価格への転嫁を図ることで影響を最小限に抑制する。『原燃料などの確保に伴う生産への影響』については、現時点では生産への直接的な影響は出ていないが、今後の調達の不確実性を考慮し、在庫の確保に注力する」と述べた。

 加えて、「『顧客需要への影響』に関しては、顧客との連携を密に図り、需要変動に応じて生産計画を柔軟に調整する」とコメントした。

中東情勢の緊迫化による影響とそれに向けたアクション 中東情勢の緊迫化による影響とそれに向けたアクション[クリックで拡大] 出所:帝人

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