その他、同イベントではユーザーおよびパートナーによるゲスト講演も行われた。ここでは、それらの内容をダイジェストで紹介する。
ダイキン工業 Digital Engineering Group/Technology Innovation Centerの高根沢悟氏は、「ダイキンにおけるCAEデータ活用と今後のビジョン」と題して講演した。
講演では、「計算を武器にダイキン工業を勝たせる」というミッションの下、グローバルに分散した設計拠点の集合知をいかに生かすかについて説明した。その中核となるのが、標準化したシミュレーションツールをグローバルに提供する「グローバルサブスク型ツール」と、中央拠点が高度な計算案件を担う「受託サービス」である。狙いは、単なるツール展開にとどまらず、設計やシミュレーションを“レポートを書く”という形で自動的に記録/蓄積し、設計の意図や判断を含めた知見として共有/再利用する点にある。
将来的には、蓄積されたレポートの要約化やDOEの自動生成、シミュレーションの自動実行と設計提案までを視野に入れており、各拠点で行われているアレンジ設計のスピード向上を図る考えである。さらに、実験データと数値実験データを組み合わせたデータ基盤の整備や、物理ベースAIの活用にも言及し、Rescaleとの連携を通じて、CAEデータ活用を事業競争力へとつなげていく構想を示した。
エヌビディア エンタープライズ事業本部 事業本部長の井崎武士氏は、「NVIDIAの最前線とRescaleとの協業について」と題して講演した。井崎氏は、NVIDIAがGPUを中心としたハードウェア企業にとどまらず、CPUやネットワーク、ソフトウェアスタック全体を提供している点を紹介し、HPCとAI、ビジュアライゼーションの融合によってAI Physicsが確立されつつあると説明した。
講演では特に、AI Physicsを産業用途で実装する上でのRescaleとの協業を強調した。NVIDIAは「Warp」やDoMINOといったAI Physics関連技術やモデルを提供し、RescaleはそれらをCAEワークフローとして統合/運用するプラットフォームを担う。DoMINOを含むAI Physics向けオープンモデル群「Apollo」は、2026年にRescaleのプラットフォームへ搭載される予定であり、高精度なシミュレーションを迅速に提供できるようになるという。井崎氏は、RescaleをCAEデータと計算基盤を束ねる中核的なパートナーと位置付け、両社の連携によってAI Physicsの実用化と普及を加速していく考えを示した。
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