パナソニック「ノモの国」は万博閉幕後もパビリオンの99%以上を再生利用へリサイクルニュース(2/2 ページ)

» 2025年09月11日 06時30分 公開
[坪田澪樹MONOist]
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横浜開催「国際園芸博覧会」でのリユースも

 ノモの国の外観やライトアップ演出に使用していたファサードフレームや照明(40台)、スピーカー(12台)については、東邦レオおよびノモの国のデザインを担当した永山祐子建築設計と協業し、2027年に横浜で開催予定の「国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)」の「Urban GX Village」エリア内で出展する「東邦レオ STUDIO(仮称)」でリユースする。小川氏は「『自然との共生を新たな明日の風景として可視化していく』ということを目指すGREEN×EXPO 2027と、パナソニックグループの使命やノモの国のコンセプトと親和性が高いこともあり、万博のレガシーの1つとしてリユースすることを決めた。この取り組みは単なるモノの継承だけでなく、ノモの国パビリオンに込めた思いも含めて継承していく」と述べる。

GREEN×EXPO 2027での活用イメージ GREEN×EXPO 2027での活用イメージ[クリックして拡大]出所:パナソニックHD

 ファサードフレームに使用している軽くて薄い膜状の布地であるオーガンジーは、金属のスパッタリング加工によって光沢や機能性を持たせている。これをノモの国の共創パートナーである上田安子服飾専門学校に提供し、上田学園が年に一度開催するファッションイベント「第156回 上田学園コレクション2026(2026年1月開催)」の服飾材料として活用する。また、大阪万博内の施設で展示/使用していたタンクレストイレ「アラウーノ」は、京都大学に移設を予定している。

オーガンジーと上田安子服飾専門学校 オーガンジーと上田安子服飾専門学校[クリックして拡大]出所:パナソニックHD
アラウーノと京都大学 アラウーノと京都大学[クリックして拡大]出所:パナソニックHD

 建物以外のリサイクル/リユースの取り組みとしては、ノモの国の第1エリアで展示している「バイオセンサリードーム」の一部を2025年度完成予定のパナソニックHD技術部門「西門真新棟」に移設し、来訪者向けの展示として活用する。また、スタッフが着用しているノモの国ユニフォームについては、パビリオンの計画段階からリサイクルを想定しており、当初の予定通りにユニフォーム製作会社のチクマが回収する。

建物以外のリユース/リサイクル予定品 建物以外のリユース/リサイクル予定品[クリックして拡大]出所:パナソニックHD

 小川氏は「多様な協力会社との連携によって、建築物における99%以上のリユース/リサイクル率と廃棄率1%未満の実現が見えてきた。こうした取り組みを積み重ねながら、パナソニックグループとして持続可能な未来社会に貢献していく。また、こうした取り組みは、万博閉幕後も次世代へとつながる新たなスタンダードとなる価値ある取り組みである」と今後の展望を述べた。

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