TOPPANは、太陽光発電パネル向けの透過加飾フィルム「ダブルビューフィルム」を開発した。表面加飾に使用でき、景観への影響を低減しつつ高い発電効率を維持する。
TOPPANは2025年11月19日、太陽光発電パネル向けの透過加飾フィルム「ダブルビューフィルム」を開発したと発表した。表面加飾に使用でき、景観への影響を低減しつつ高い発電効率を維持する。
太陽光パネルは、持続可能な社会の実現に貢献するソリューションとして期待が寄せられており、近年さまざまな場所に設置されている。その一方で、無機質なパネル表面が並ぶことによる景観への影響や、建物などの外観を損なうといった課題がある。また、パネル表面が光を反射することによるまぶしさが、周囲の生活環境に悪影響を及ぼす可能性も指摘されている。
そこでTOPPANは、建装材内装用途を中心に展開していたダブルビューフィルムの意匠性や光透過性を応用し、太陽光発電向けのダブルビューフィルムを開発した。
同フィルムは、光を透過できるフィルムだ。表面にサーフェスデザインの印刷が可能で、太陽光発電パネルの無機質な表面にさまざまな意匠を付与できる。この機能を活用し、住宅などの建築物の壁面にも太陽光パネルを設置可能にした。
同社がダブルビューフィルムを合わせガラス方式の太陽光発電パネルに施工したところ、フィルムを貼らない状態を100%の発電効率とした場合、同社選定の木目柄では92.8%、石目柄では98.1%の発電効率を示した。また、同方式の太陽光発電パネルで、国際電気標準会議(IEC)の規格基準に基づく耐久性を検証。その結果、発電効率の低下は、フィルムを貼らない仕様と同程度となった。外光による反射やぎらつきも低減している。
同社は今後、オフィスやマンションエントランス、ホテルなどの建築内装用途に加え、モビリティや家具、家電、産業資材など、幅広い用途にダブルビューフィルムを展開する。2026年度中に、太陽光発電パネル向けの量産化を目指すとしている。
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