麗光は、「第16回 高機能フィルム展 FILMTECH JAPAN」で、開発品としてハイバリアフィルム「VERREAL 50U」と「フィルム型太陽電池向け連続風可能な封止材付きハイバリアフィルム」を披露した。
麗光は、「第16回 高機能素材 Week −Highly-Functional Material Week−」(会期:2025年11月12〜14日、幕張メッセ)内の「第16回 高機能フィルム展 FILMTECH JAPAN」に出展し、開発品としてハイバリアフィルム「VERREAL 50U」と「フィルム型太陽電池向け連続封止可能な封止材付きハイバリアフィルム」を披露した。
VERREAL 50Uは、PETフィルム、コーティング層、バリア層から成り、85℃の高温かつ85%の高湿度でも高いバリア性を発揮する他、フレキシブル性と高い透明性を備えている。
フィルム型太陽電池向け連続封止可能な封止材付きハイバリアフィルムは、VERREAL 50U、同社が既に展開している高透明低抵抗フィルム「ELESWAY CL-15 D-HCR」や封止材から成る。麗光の説明員は「ELESWAY CL-15 D-HCRを太陽電池モジュールの基材に、それを水分から守るバリアフィルムにVERREAL 50Uを利用している。ELESWAY CL-15 D-HCRは、PETフィルムやコーティング層、透明導電層で構成される。同フィルムは、高い透過率を有しているだけでなく、下地の隆起や透明導電膜のバリが少なくレーザーエッチング加工性に優れる」と話す。
ペロブスカイト太陽電池や有機薄膜太陽電池に使えるこのハイバリアフィルムは、大気下でロールtoロール方式で連続封止できることに加えて、優れた段差追従性も備えている。
麗光の説明員は「フィルム型太陽電池の製造の多くは、真空ラミネーターを使用し、1枚ずつバリアフィルムを熱圧着して封止する必要があり、生産性が低かった。当社が開発を進めるこのハイバリアフィルムは、常温/常湿に近い大気下でロールtoロール方式で連続封止できる。これにより、真空ラミネーター方式と比べて、約10倍の生産性向上を見込んでいる。真空ラミネーター用の設備が不要になるため、製造コストの低減にもつながる」と強調した。
その上で、「従来の真空ラミネートは封止材の水分を抜く目的もあった。一方、大気下では水分が抜けにくい。こういった課題の解決に向けて、現在はこのハイバリアフィルムで利用している封止材の改良を進めている。改良により水分を抜けやすくし、水分で太陽電池モジュールの性能が劣化しないようにする」と現状の課題に触れた。
なお、同社は新開発のハイバリアフィルムを用いて有機薄膜太陽電池の完成品を製造する能力を有しているが、完成後は同フィルムの提供に注力する考えだ。「ロールtoロール方式の装置を保有していれば、このハイバリアフィルムで連続封止工程を行える」(麗光の説明員)。
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