日本ガイシは、次世代半導体市場への対応を強化するため、ハイセラムキャリアの生産能力を約3倍に増強する。NGKセラミックデバイスの生産設備を増強するほか、前工程を担うNGKエレクトロデバイスにも新たに成形、焼成設備を導入する。
日本ガイシは2025年11月14日、次世代半導体市場への対応を強化するため、サポートウエハー「ハイセラムキャリア」の生産能力を約3倍に増強すると発表した。
ハイセラムキャリアは、複数の小型半導体チップを組み合わせて高性能を実現するチップレット集積において、半導体チップを一時的に固定するための支持材だ。この支持材には、光を通す他、高い剛性と耐久性を備えた透光性セラミックス「ハイセラム」を採用している。
ハイセラムを用いることで、従来のガラス製サポートウエハーで課題となっていた、製造時の反りや破損を大幅に低減する。これにより製造工程の安定性が向上し、製品ロスの削減や品質向上につながる。
今回の設備投資では、製造を担う子会社NGKセラミックデバイス(愛知県小牧市)の生産設備を増強。併せて、前工程を担うNGKエレクトロデバイスにも、新たに成形、焼成設備を導入する。2027年度までに、NGKグループ全体でのハイセラムキャリアの生産能力を現在の約3倍に拡大し、安定した供給体制を構築。高性能半導体市場において、2030年度に売上高200億円の達成を目指すとしている。
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