セラミックス二次電池で電子棚札をメンテナンスフリー化、日本ガイシが披露:リテールテックJAPAN 2021
日本ガイシは、「リテールテックJAPAN 2021」において、チップ型セラミックス二次電池「EneCera(エナセラ)」の活用事例をイメージした展示を披露した。
日本ガイシの「EneCera」。コイン型とパウチ型の2種類を用意している(クリックで拡大)
日本ガイシは、「リテールテックJAPAN 2021」(2021年3月9〜12日、東京ビッグサイト)において、チップ型セラミックス二次電池「EneCera(エナセラ)」の活用事例をイメージした展示を披露した。
EneCeraは、電極に日本ガイシ独自の結晶配向セラミックス板を使用したリチウムイオン二次電池である。これにより、一般的なリチウムイオン二次電池の電極材料として用いられる有機バインダーや導電助剤が不要なので、小型、薄型、高容量、低抵抗で、高温プロセスでの実装が可能という特徴を有している。
また、一般的なリチウムイオン二次電池が苦手とする低温での動作についても、−40℃の環境下でも問題なく動作する品種をラインアップしている。この他、電解液の使用量を極力減らしていることから、リチウムイオン二次電池の利用で課題になる発火が起こりにくく、発熱についても3〜6℃で済むという。充放電サイクル寿命についても「一般的なリチウムイオン二次電池は500回程度で容量の劣化が始まるが、EneCeraは1000回以上でも劣化がほとんど起こらない」(日本ガイシの説明員)という。
2019年に発表したEneCeraだが、展示会などではその特徴を生かした活用事例をイメージしやすいような展示を行っている。今回のリテールテックJAPAN 2021では、小売りや物流の分野での活用をイメージした「低照度の室内光でも駆動する電子棚札」の展示を初披露した。
「低照度の室内光でも駆動する電子棚札」の展示(クリックで拡大)
この展示は、低照度の室内光にも対応するExeger Operationsの太陽光発電パネル「Powerfoyle」とEneCeraの組み合わせで、電池交換が不要なメンテナンスフリーの電子棚札の電源ソリューションを実現している。「この他にも物流分野では、低温動作が可能なことからコールドチェーンのセンサータグなどへの提案も行っている」(同説明員)という。
商品ラインアップとしてはコイン型の「EneCera Coin」とパウチ型の「EneCera Pouch」がある。既にEneCera Pouchの一部は量産を開始しており、EneCera Coinなども間もなく量産を始める予定だ。
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