これがFPGA評価ボード万能UIの最終進化形態「新imaoPad」だ!注目デバイスで組み込み開発をアップグレード(30)(1/2 ページ)

注目デバイスの活用で組み込み開発の幅を広げることが狙いの本連載。今回は、連載第26回で取り上げたFPGA評価ボード万能UI「imaoPad」の最終進化形態となる「新imaoPad」の製作方法を紹介する。

» 2025年10月31日 07時00分 公開
[今岡通博MONOist]

はじめに

 本連載の第26回『ブレッドボードの表裏を使ってFPGA評価ボードの万能UI「dpad」を新生させる』では、FPGA評価ボード万能UI(ユーザーインタフェース)となる、「dpad」あらため「imaoPad」の製作方法を紹介しました。

 imaoPadについて、より納得のいく工法を思い付いたので読者の皆さんと共有したいと思います。この「新imaoPad」の改良点としては、以前の工法と比べて製作工数を大幅に削減できていること、ブレッドボード上でユーザーが回路を組める領域が増えたこと、ブレッドボードが従来の実装に比べて再利用可能なこと、などが挙げられます。

 また、本連載第20回「FPGAでミュージックシーケンサーを作る」、連載「オリジナルCPUでバイナリコード入門」で紹介したオリジナルCPU「DL166」、連載「FPGAにニューラルネットワークを実装する」などで扱ったテーマも、順次この新imaoPadに移植していきたいと思っています。

⇒連載「注目デバイスで組み込み開発をアップグレード」のバックナンバー

新imaoPadのユーザーインタフェース

 図1は新imaoPadのユーザーインタフェース面を表しています。

図1 図1 新imaoPadのユーザーインタフェース面,新imaoPadのユーザーインタフェース面[クリックで拡大]

 以前のimaoPad(旧imaoPad)は、ブレッドボードの裏面がユーザーインタフェース面だったのに対して、新imaoPadはブレッドボードの表面がユーザーインタフェース面になっています。このため、タクトスイッチやLEDドットマトリクスはブレッドボードの穴に差し込むだけになりました。旧imaoPadは、これらの部品をブレッドボードの裏面にはんだ付けしていたので随分楽になりましたね。

 中央のLEDドットマトリクスの左側にある上下左右キー、同右側にあるAボタンとBボタンは、その配置と機能はほとんど変わりません。LEDドットマトリクスは「黄色LEDドットマトリクスLED 8×8ドット OSL641501-AY」を用いています。縦のピンの幅が28.4mmですが、それよりも一回り小さい「1088AS」などにも交換可能です。LEDドットマトリクスの大きさや色にこだわりがある人はいろいろ試すことができますね。

 ただし、旧imaoPad用のHDL(ハードウェア記述言語)は新imaoPadに対応するよう書き換える必要があります。

LEDドットマトリクスを外したところ

 図2はユーザーインタフェース面からLEDドットマトリクスを外した状態です。

図2 図2 新imaoPadのユーザーインタフェース面からLEDドットマトリクスを外した状態[クリックで拡大]

 まず、ブレッドボードの左側にあるg-1とg-7をジャンパーします。上キーのタクトスイッチの端子は上側をj-3とj-5、下側をg-3とg-5に装填(そうてん)します。下キーのタクトスイッチの端子は上側をd-3とd-5、下側をa-3とa-5に装填します。左キーと右キーは加工が必要なので後ほど説明します。

 ブレッドボードの右側にあるAボタンとBボタンに移りましょう。まずは3つのジャンパー線から先に装填します。e-24とe-30、d-23とd-27、そして最後にa-25とa-28をジャンパーします。

 次にタクトスイッチの装填ですが多少トリッキーな実装をしています。Aボタンのタクトスイッチの端子は、上側をd-28とd-30、下側をa-28とa-30に装填します。ただしa-28は、ジャンパー線とタクトスイッチの端子が同じブレッドボードの穴で競合しています。本当は1つの穴には1本のリード線が原則であり、おそらくブレッドボードを扱う教科書にもそう書いてあると思いますが、そこは大目に見てください。もし支障が出るとすれば、ブレッドボードの穴というかその下にあるリード線を挟み込む金具が広がって細いリード線を挿した時に接触が悪くなるかもしれません。もし今後、新imaoPadの用途以外にブレッドボードを再利用する予定があれば、なるべく細いジャンパー線を使う方がよいでしょう。

 Bボタンのタクトスイッチの端子は、上側をd-25とd-27、下側をa-25とa-27に装填します。こちらもまた、d-27とa-25がジャンパー線と競合します。

 ブレッドボードの1つの穴に2本のリード線が競合していること以外にもう1つ注意点があります。図2内の赤丸で囲んだ2か所ですが、ここはタクトスイッチのリード線とジャンパー線が接触しないように注意してください。もし被覆付きのジャンパー線が手元あればそちらを使う方が安全ですね。

 図3には左キーと右キーに用いるタクトスイッチの端子の加工法を示しています。

図3 図3 左キーと右キーに用いるタクトスイッチの端子の加工法

 左キーのタクトスイッチの端子は右上のピンを、右キータクトスイッチの端子は右上と左下のピンを切断します。ただし、このままだとブレッドボードに挿してもグラグラするので、筆者の場合は木工用接着剤で側面を固めています。完全に乾燥するまで1日程度はかかるのでこの作業はあらかじめやっておいた方がよいでしょう。一日は待てないという方はホットメルトなどを使うのも手かと思います。

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