レノボとニデックが水冷AIサーバで協業、「冗長化設計」のCDUが高評価組み込み開発ニュース(1/2 ページ)

レノボ・エンタープライズ・ソリューションズとニデックが、両社で推進するAIデータセンター向け水冷ソリューションの共同プロモーションについて説明。国内向けにレノボの液体冷却技術「Lenovo Neptune」とニデックのCDUを組み合わせた水冷AIサーバの提案を進める。

» 2025年10月29日 06時30分 公開
[朴尚洙MONOist]

 レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ(以下、レノボ)とニデックは2025年10月28日、東京都内で会見を開き、両社で推進するAI(人工知能)データセンター向け水冷ソリューションの共同プロモーションについて説明した。国内向けにレノボの液体冷却技術「Lenovo Neptune(以下、Neptune)」とニデックのCDU(冷却液分配装置)を組み合わせた水冷AIサーバの提案を進めながら、Neptune向けにCDU以外のニデックの液体冷却ソリューションを最適化するなどの共同開発にも取り組む方針である。

ニデックの田中裕司氏(左)とレノボ・エンタープライズ・ソリューションズの張磊氏(右) ニデックの田中裕司氏(左)とレノボ・エンタープライズ・ソリューションズの張磊氏(右)[クリックで拡大]

 レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ 代表取締役社長の張磊氏は「AIデータセンターへの投資が急拡大する中で、企業がビジネス課題の解決に向けて小さめのAIシステムを導入する事例も増えている。このとき課題になるのが電力であり、データセンターのエネルギー消費のうち冷却が最大40%を占めるといわれている」と語る。そして、日本企業はCIOの三大優先事項の一つにサステナビリティが入っており、AIデータセンターへの投資では消費電力の低減が重視される状況にある。

 IBMのメインフレーム技術を基に開発されたレノボのNeptuneは現在第7世代に進化しており、冷媒としてグリコールではなく純水を使用することや、45℃の温水で冷却することなどさまざまな特徴を備えている。そして、Neptuneを採用することで、空冷サーバと比べて最大40%の消費電力の削減が可能になる。また、発熱コンポーネントを直接液体で冷却するのでシステム内の空冷ファンがなくなり、サーバルーム内の冷房も削減できるなどさまざまな効果も得られる。

「Lenovo Neptune」の特徴 「Lenovo Neptune」の特徴[クリックで拡大] 出所:レノボ
AIデータセンターで液体冷却システムを採用するメリット AIデータセンターで液体冷却システムを採用するメリット[クリックで拡大] 出所:レノボ

 また、張氏は「レノボはNeptuneを展開する上でエコシステムを重視しており、今回のニデックとの協業もその一環となる」と強調する。

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