一方のニデックはモーターをコア技術とした5本柱の事業を展開しており、データセンター向けの液体冷却ソリューションのその一つになっている。ニデック 小型モータ事業本部副本部長の田中裕司氏は「HDDスピンドルモーター事業で培った技術を生かして品質と信頼性の高い液体冷却ソリューションを展開している。2024年には世界トップクラスとなる7000台のCDUを出荷するなどの実績がある」と述べる。
なお、ニデックの液体冷却ソリューションはCDUの他に、CPUやGPUを効率よく冷却するコールドプレートや、冷媒である液体を漏らさずに配管の抜き差しを行える「Quick Disconnect」などがある。
今回、レノボとの共同プロモーションに提供するのはユニットタイプの「In Rack CDU Gen1.0」だ。4Uサイズで冷却容量は200kWで、NVIDIAのAIサーバ向けGPU「B200」などに対応している。
また、ニデックは、NVIDIAのAIサーバ向け最新GPUである「GB300」にも対応可能なユニットタイプの「In Rack CDU Gen2.5」や、サーバラックタイプで冷却容量が2.0MWに達する「In Row CDU NIR2.0」なども開発している。
CDUをはじめとする液体冷却ソリューションのメーカーとしてニデックは後発に位置する。しかし、2024年に世界トップクラスの出荷実績を達成できた背景には、CDUの「冗長設計」がある。例えば、In Rack CDU Gen1.0は、ポンプと制御基板、電源ユニットといった可動部や負荷が大きく掛かる部品を二重化している。通常時は、二重化による2系統により負荷分散して動作させながら、万が一不具合が発生したときには、不具合のない1系統が動作を担っている間にもう1系統の故障箇所を交換すれば、AIサーバの動作を止めることなく不具合対応を行えるという。
レノボとニデックは今回の発表に合わせて、レノボのサーバラック「SR630 V4」3台とNeptune、ニデックのCDUなどから構成される水冷サーバを用いた販促キャンペーンを行う。5年間のリースプログラムである「TruScaleリース5年」で月額83万2000円かかるところを、約30%安価な月額58万4000円で先着10セット提供するとしている。
ニデックのAIデータセンター向け水冷システムがWind River Linuxを採用
AIをもっと身近に、レノボはデバイスメーカーからITソリューションプロバイダーへ
「地球シミュレータ」はベクトル型を継承しつつ生成AIも取り込んで進化する
産総研の最新スパコン「ABCI 3.0」が生成AIの研究開発と社会実装を加速する
東大と筑波大が共同構築した最新スパコン「Miyabi」がAI for Scienceを推進する
東工大「TSUBAME 4.0」は“みんなのスパコン”としてどのような進化を遂げたのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
組み込み開発の記事ランキング
コーナーリンク