レノボ・ジャパンは「レノボ 2024年度における事業戦略説明会」を開催し、日本のレノボグループ3社(レノボ・ジャパン、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ、モトローラ・モビリティ・ジャパン)の日本市場におけるAI戦略などについて説明した。
レノボ・ジャパンは2024年7月16日、「レノボ 2024年度における事業戦略説明会」をハイブリッド開催した。
レノボは、2023年10月のグローバル年次イベント「Lenovo Tech World 2023」において、「AI for All」のビジョンを掲げ、“ポケットからクラウドまで”、あらゆる規模の組織と個人が、あらゆるシーンでデータ活用を実現できる、AI(人工知能)による包括的なアプローチ「Hybrid AI」を発表。今回の説明会では、レノボ・ジャパン、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ、モトローラ・モビリティ・ジャパンの日本のレノボグループ3社が、日本市場におけるAI戦略などについて説明した。
レノボ・ジャパン 代表取締役社長の檜山太郎氏は「レノボグループは非常に膨大な製品ポートフォリオを有しており、それら製品がAI時代にどのように活躍し、社会に貢献できるのかを常に考え続けている。2024年はAI元年になると見ており、これから先、全ての製品や機器にAIが組み込まれていくことになる。そうした社会の実現をレノボは目指している」と説明する。
2023年度の業績の振り返りとして、檜山氏は市場トップシェアを誇るPC事業、対前年比2桁成長を遂げているソリューション&サービス事業、同1桁成長のインフラサーバ事業などの好調さをアピール。さらに、モトローラ・モビリティ・ジャパンのスマートフォン事業も堅調で、対前年比で135%の成長を遂げていることを強調。他にも、企業としてさまざまな賞や認定を取得したことを紹介した。
こうした実績を踏まえた2024年度の注力領域に関しては、PCを中心とした市場におけるリーダーシップの地位を維持することを第一に掲げ、「そのためにもデバイスメーカーからITソリューションプロバイダーへ転身する必要がある。単に製品や技術を届けるだけでなく、お客さまの課題をしっかりと理解し、解決策を提供できる存在にならなければならない。お客さまから選ばれるブランドを目指す」と檜山氏は語る。
AIに関する取り組みも強化していく。レノボグループ全体として、冒頭に紹介した「Hybrid AI」戦略の発表の他、AIへのさらなる投資や関連するエコシステムの構築、製品やサービスにおけるAIの搭載や活用を推進。「パーソナルデバイスの中で収まるAI、所属する組織や学校の中で活用していくAI、『ChatGPT』のようにクラウドを活用したAIなどのように、しっかりとレイヤーを分けて管理する必要がある。データの安全性と効率的な活用の観点からも重要な考え方であり、ハードウェアメーカーだからこそできる部分に注力し、AI活用を支援していきたい」と檜山氏は述べる。
そのために、レノボグループでは、次世代のAI PC、AIコネクテッドなスマートフォン、AI Readyなサーバなどの製品ラインアップの拡充と、それらをつなげるソリューション&サービスの投入を強化し、ナンバーワンのITソリューションプロバイダーを目指すという。「その第一歩を進めることが2024年度の大きな目標だ」(檜山氏)。
説明会ではAI PCのラインアップやモトローラのスマートフォンに組み込まれたAI機能、アプリケーションやコンテンツを複数デバイス間で共有できる「Smart Connect」、ITインフラを支える新製品やソリューション、サービスなどを紹介。さらに、AIを活用した新たなソリューション&サービスの一例として、檜山氏はレノボの独自AIツールが企業のサステナビリティ目標の達成を支援する「Lenovo Intelligence Sustainability Solutions Advisor(以下、LISSA)」や、生成AIを駆使して従業員体験や生産性を向上させて個人に適したデジタルワークプレイスを提供する「Lenovo Care of One」を取り上げた。
その他にも、レノボグループにおけるサステナブルな未来に向けた技術開発として、水冷テクノロジーの採用、低温はんだ技術の公開/共有、再生素材の筐体採用やパッケージ採用、製品ライフサイクルにおける資源循環のアプローチなどの取り組みについても紹介していた。
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