レノボ・ジャパンは、法人向け事業説明会を開催し、日本企業のDXを推進するとともに、デバイスから発生するCO2をオフセットするサービスを提供するなど持続可能性への支援を積極的に進める方針を示した。
レノボ・ジャパンは2023年5月30日、法人向け事業説明会を開催。日本企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するとともに、デバイスから発生するCO2をオフセットするサービスを提供するなど持続可能性への支援を積極的に進める方針を示した。
レノボグループは、IBMやNEC、富士通などのPC事業を買収して成長してきた経緯からPC事業が中心に見られがちだが、既に売上高の43%はPC以外の領域で生み出しており、これらのPC販売以外の事業の成長を強化しているところだ。「PC事業はもちろんだが、それ以外の領域を伸ばしたい。DXなど顧客の成長を一緒に実現していく」とレノボ・ジャパン 代表取締役社長の檜山太郎氏は述べている。
その中で2023年度(2024年3月期)にレノボ・ジャパンとして強化していくのが「顧客の成長に寄り添ったコンピューティングパワー活用の提案」と、エッジコンピューティングなど「新たなコンピューティング活用領域の拡大」「デジタル活用格差の解消」である。具体的には、パートナーとの共創による新たなソリューション構築とその横展開を行う「Lenovo 360」などの活動を推進する他、「サステナビリティ(持続可能性)」についての提案を強化する。
レノボグループでは、Science Based Targetsイニシアチブ(SBTi)による認定を受け、2050年までにネットゼロを達成することを目指している。加えて、SBTiとの協力を進めながら、自社での電力効率向上やプロダクトデザインやパッケージング、サービスでの効率化などを推進。さらに、これらのノウハウや得た知見などを製品と組み合わせた提供を進めている。
その1つが「Lenovo CO2オフセットサービス」だ。これはレノボの製品を購入後に、使用中に発生するCO2排出量を事前に算出し、その排出権を製品に組み込んで販売するというものだ。例えば、PC1台が使用想定期間とされる5年間で排出するCO2は1〜1.5トンだとされる。この分の排出権の1.5トン分を事前にPCとセットで購入しておくことで、レノボのPCの使用企業はこのPCからの排出量を相殺して計算することができるようになる。
CO2排出量については、GHGプロトコルのスコープ3に見られるように、サプライチェーン全体での低減が求められており、製造時だけでなく、輸送時や使用中のCO2排出量の管理と低減が求められており、レノボの提案はこうした動きを捉えたものとなる。PCだけでなく、サーバ製品などで同様に排出権を併せて購入することも可能だ。「PC1台当たりでは10ドル程度の排出権の価格となる。もちろんサーバの方がPCよりもCO2排出量は多くなるが、量当たりの排出権の価格はほぼ同じである点が強みだ」(レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ 代表取締役社長 ジョン・ロボトム氏)としている。
檜山氏は「カーボンオフセットについては現在顧客に話をし始めている段階で、事業化していくのは2023年度後半になると見ている。そこから事業を伸ばしていきたい」と語っている。
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