パナソニック ホールディングスは「2025年大阪・関西万博」終了後、パナソニックグループのパビリオン「ノモの国」の建築部材について、99%以上のリユース/リサイクルおよび廃棄率1%未満を目指すと発表した。
パナソニック ホールディングス(パナソニックHD)は2025年9月4日、オンラインで会見を開き、「大阪・関西万博」(以下、大阪万博)に出展中のパナソニックグループのパビリオン「ノモの国」の建築部材について、万博閉幕後のリユース/リサイクル率99%以上(廃棄率1%未満)を目指すと発表した。
パナソニックグループは長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」を掲げており、ノモの国は「循環」をテーマにして、企画段階から資源循環型のパビリオンを目指し設計/施工を進めてきた。そのパビリオン建築に使用しているリサイクル鉄や銅/ファサードフレーム/外構の塗装ブロックをはじめ建築部材の再利用/再資源化を徹底し、廃棄物の最小化を図っている。パナソニックHD 執行役員 兼 ノモの国館長の小川理子氏は「今回の取り組みは日本国際博覧会協会が掲げる目標を上回るものである。Panasonic GREEN IMPACTを掲げるパナソニックグループにとっても、資源循環に向けた取り組みに大きな責任があると考えている」と語る。
今後のリサイクルの取り組みとして、パビリオンの主要な柱や梁の約98%に使用している家電リサイクル鉄(約97トン)を、パナソニック ET ソリューションズおよびパナソニック オペレーショナルエクセレンスが東京製鐵と連携し、リサイクルスキームに戻してパナソニックグループの製品材料として再び利用する。幹線ケーブルとして使用している家電のプリント基板から回収したリサイクル銅(約1.2トン)についても、三菱マテリアルとの連携によりリサイクルスキームに戻し、再びパナソニックグループの製品材料として活用する。その他の重量ベースで建築物の約65%を占めるコンクリートをはじめとした、石こうボードやプラスチック、塩化ビニール管、金属くずなどの建築資材についても再資源化を図っていく。
パビリオンの外構部には、大阪万博をきっかけに太平洋プレコン工業とのコラボレーションで生まれた、使用済み洗濯機約9200台分のガラスを活用した世界初の塗装ブロック(749m2)を使用している。大阪万博閉幕後のリユースの取り組みとして、この塗装ブロックを今後建設予定の大林組技術研究所(東京都清瀬市)内の実験棟「オープンラボ3」の第2期建物外構部に165m2分を移設する。残りの584m2については、パナソニックグループの管理施設(門真本社構内駐車場)へ移設する。その他、ノモの国で使用していた照明やスピーカー、ウッドデッキ、監視カメラなどの設備機器や建材(約30品目180点)を大林組のオープンラボ3の第2期建物でリユースする。
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