JFEスチールのGXスチール「JGreeX」が、鉄鋼スラグ製品を輸送するガット船の部材に326トン採用された。鉄鋼製造過程のGHG排出量を大幅に削減したJGreeXを採用したガット船で輸送する鉄鋼スラグ製品は、高い環境価値を持つこととなる。
JFEスチールは2025年12月2日、同社のGX(グリーントランスフォーメーション)スチール「JGreeX」が、鉄鋼スラグ製品を輸送するガット船の部材に326トン(t)採用されたと発表した。
JGreeXは、温室効果ガス(GHG)の排出削減技術を活用して創出した削減量を任意の鋼材に割り当て、鉄鋼製造過程のGHG排出量を大幅に削減した鉄鋼製品だ。これを採用したガット船で輸送する鉄鋼スラグ製品は、高い環境価値を持つことになるという。
ガット船の建造は小池造船海運が担当し、船主は山陽オイル、用船者は第一中央汽船となる。JFEスチールが「ホルバール号」と命名し、同年11月19日に進水命名式が開催された。
同社は、年間約350万トン(t)の鉄鋼スラグ製品をガット船で出荷している。鉄鋼製造過程で生じる副産物を加工した鉄鋼スラグ製品は、サーキュラーエコノミーを担う再生資材として各種用途で活用されている。セメント原料としても利用されており、高炉水砕スラグを副原料とする高炉セメントは、普通セメントに比べてセメント1t当たりのGHG排出量を約42%削減できる。
JGreeXや鉄鋼スラグ製品の販売拡大を通じて、同社は今後も脱炭素化や資源循環に貢献するとしている。
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