サイバネットシステムは、最適設計支援ソフトウェア「Optimus」の最新バージョン「Optimus 2025.1」の販売を開始した。AIを活用したグラフ生成機能「AIポストプロセス」など、多数の新機能を搭載している。
サイバネットシステムは2025年6月18日、最適設計支援ソフトウェア「Optimus」の最新バージョン「Optimus 2025.1」の販売開始を発表した。
Optimusは、同社グループのNoesis Solutionsが開発したソフトウェアだ。構造、熱、流体、電磁場、音響、公差、制御、光学、電気など広範な分野のCAD、CAEソフトウェアを統合し、解析を自動化、最適化する。
最新バージョンでは、AI(人工知能)を活用したグラフ生成機能「AIポストプロセス」を搭載する。Optimusに蓄積したデータと生成AIを組み合わせて、グラフを生成できる。
CAEなどのツールを普段利用していない人でも、日本語で直感的に指示でき、プロットや表、統計情報の種類、表示形式などを対話型チャットbotに入力すれば、数秒で希望通りのグラフを生成できる。解析担当者の作業を削減できることに加え、設計者自身がデータを分析し、自分の経験や勘を補完する最適設計の根拠をグラフの形で示せる。
AIポストプロセスのLLM(大規模言語モデル)で処理される情報は、Optimusの処理方法の構造や入出力変数の数といった一般的な情報に限られる。ユーザー固有の機密データは含まず、データの機密性は保たれる。
また、レポート作成や情報共有をサポートする新しいポストプロット「スナップショット」を追加している。OptimusのGUI内で、AIポストプロセスでエクスポートしたPNG、HTMLファイルを表示できる。HTMLファイルでは、Webブラウザと同様にグラフなどの拡大/縮小が可能で、チーム内でAIポストプロセスの結果を共有しやすくなる。また、任意のファイル(.PNG、.html)を表示できるため、レポート作成などで使用する情報を盛り込みやすい。
他に、新ポストプロット「ダッシュボード」も追加した。使用頻度が高い4つの主要プロットを1つの画面にまとめたダッシュボードは、実験計画法や最適化で得られたデータについて、視覚的に要約した結果を確認できる。また、ダッシュボード上でデータを選別し、各プロットに結果を自動で反映させることも可能だ。
ダッシュボードは「解析結果のステータス(円グラフ)」「設計パラメーターとそれらとの組み合わせで得られる性能を横軸とした平行座標プロット」「設計パラメーターのヒストグラム」「性能のヒストグラム」の4つで構成されている。
また、ファイル管理機能を改善した。解析で使用した各種ファイルの保存設定を1つのリストにまとめて管理できるようになったため、設定状況の確認や変更がしやすくなった。解析シーケンスの各アイコン内でリストとアイコンの設定が相互リンクされることにより、設定の一貫性を確保している。
さらに、ムラタソフトウェアが開発した有限要素法解析ソフトウェア「Femtet」のダイレクトインタフェースを搭載する。解析の自動化を定義するシーケンスを簡単に作成できる他、.femprjファイルで設定されているパラメーターにスカラー値を代入することで、Femtetでの解析結果を抽出することが可能だ。これらの機能は、Optimusの最適化アルゴリズムやポストプロセスによる設計の効率化に寄与する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.