そして、同社初のヒューマノイドロボットが「Atomシリーズ」だ。身長165cm、重量65kgで、人間のような直立二足歩行が可能となっており、5cmまでの段差を乗り越えられるという。「人間のように見えるだけでなく、人間のように歩くことができる。これによって、省エネルギーにもつながる」(Dobot 製品統括責任者の解俊傑氏)。各7軸の双腕を持ち、12軸のハンドを含めて最大で41軸の自由度を持つ。頭部にフルHD対応のバイノキュラー(双眼)カメラと、深度と色を認識するRGB-Dカメラ、さらに3D-LiDAR(Light Detection And Ranging)を備えて周囲をセンシングする。また、Intelの「Core i9」と256ビットのGDDR6による、処理性能1500TOPSのAI(人工知能)モジュールを備えている。
Dobot CEOの劉培超氏はロボットの開発に累計で約200億円を投資してきたと明かし、「2024年からはAIとロボットを組み合わせ、人の動きをまねさせてタスクを実行する開発に取り組んでおり、ほぼ完成している。AIは仕事や日常生活においても浸透し、われわれの暮らしと切っては切り離せないものになっている。今はもうAIを使ってロボットの動きを制御できる時代になっており、両手の動きを組み合わせてほとんどの人の動きが模倣できてしまう。半年ごとにブレークスルー(技術的な障害の突破口)が訪れるくらい、AIの進歩は目覚ましい」と話す。
Dobot Japan 営業本部の云中雁氏は日本の製造業における課題として、人手不足や高齢化、さらにそれらを背景とした技能継承、少量多品種かつ短納期生産で求められる柔軟性、自動化投資のコストやスキル/スペースなどを列挙。「日本の製造業が抱える課題に対して、現実的で投入しやすい改善策を提案している」(云氏)として、協働ロボットによるパレタイジングや溶接のパッケージソリューション、AMR(自律搬送型ロボット)と協働ロボットを組み合わせた自動化を紹介した。
その他、国内のSIerが大手自動車メーカーなどにおけるDobot製品の導入事例などを紹介。大阪大学 名誉教授の浅田稔氏による講演も行われた。
なお、CRAFシリーズ、CRA-IP68シリーズ、Atomは近日中に発売される見込みだ。CR30Hシリーズ、Nova2sに関しては「今後発売を予定している」(Dobot)という。
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