デクセリアルズは、自律移動する警備ロボットとのGbps級THz帯通信の実証と、THz帯と光無線の縦続接続通信の実証に成功した。
デクセリアルズは2025年5月27日、子会社のデクセリアルズ フォトニクス ソリューションズが、自律移動する警備ロボットとのGbps級THz(テラヘルツ)帯通信の実証と、THz帯および光無線の縦続接続通信の実証に成功したと発表した。三重大学、国際電気、KDDI総合研究所、東洋電機との共同研究による成果だ。
研究グループは、同年2月に、三重大学構内において時速1.5kmで移動する警備ロボットの筐体内部に実装したトランシーバーと、固定基地局のトランシーバーとの間で、幅最大1mで長さ20mのエリア内における最大4.54GbpsのTHz通信を達成した。自律移動型ロボットに対するGbps級のTHz帯双方向通信の実証成功は世界初だという。
また同年4月には、国際電気の東京事業所構内において、THz帯通信システムとオール光型光無線通信システムを縦続接続した大容量データ伝送システムのフィールド実証に成功した。光ツートーン信号から生成した273GHzのTHz帯搬送波を用いて、2月の実証と同じ4.54Gbpsの通信に成功した。
同成果により、それぞれの単独システムでは対応が難しかった新たなユースケースへの適用が期待できる。例えば、大規模イベント会場において、最寄りの光ファイバー回線を光無線で会場と接続し、会場内に複数のTHz帯スモールエリアを設置することで、移動中の自律警備ロボットとの高速通信が可能となる。
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