2025年12月期の連結業績の売上高は1兆4220億円、コア営業利益は980億円、営業利益は490億円と予想している。コア営業利益とは営業利益から非経常的な要因により発生した損益を除いて算出した利益を指す。
また、2025年からは開示セグメントに関して以下の一部変更を行う。石油化学事業は、クラサスケミカル発足に伴いクラサスケミカルセグメントとして独立させ、黒鉛電極事業はカーボン負極材料事業との一体運営を開始しケミカルセグメントのグラファイト事業となる。
クラサスケミカルは、「石油化学事業のパーシャル・スピンオフ計画」に基づきレゾナック・ホールディングスが100%の出資を行い2025年1月に設立した石油化学事業会社だ。
染宮氏は「2025年も半導体/電子材料セグメントがAI向けを含む半導体市場の成長や、データセンター向けHDメディアの出荷数好調により業績をけん引する見込みだ。モビリティセグメント、イノベーション材料セグメント、クラサスケミカルセグメントについてもコア営業利益の黒字を予想している。一方で、ケミカルセグメントは、グラファイト事業における黒鉛電極事業が厳しい状況にあることから赤字を見込んでいる」とコメントした。
石油化学事業のパーシャル・スピンオフ計画で中核的な役割を果たすクラサスケミカルは、石油化学製品、有機化学製品、合成樹脂製品の製造/販売を行う。2年以内に東京証券取引所に新規上場申請を行い、承認後にスピンオフを実行する予定。スピンオフを見据え、2025年上期にアナリストや投資家向けの説明会も行う予定だ。
一方、レゾナック・ホールディングスの事業ポートフォリオについて、同社の成長を主にけん引するのは半導体/電子材料セグメントで、目標EBITDAマージンは30%。モビリティセグメントとグラファイト事業は厳しい市場環境に対応するために構造改革を実施中だ。「モビリティセグメントは2022年に30%の目標EBITDAマージンを目指すとしていたが、現状を踏まえて目標EBITDAマージンを15%に修正した。ライフサイエンス事業は既に公表の通り、診断薬と再生医療の事業を他社に譲渡が完了している」(染宮氏)。
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