レゾナックが半導体/電子材料の販売が好調で増収増益 黒字にV字回復製造マネジメントニュース(1/3 ページ)

レゾナック・ホールディングスの2024年12月期通期連結業績は、売上高が前年同期比7.8%増の1兆3893億円で、前年同期に営業利益、経常利益、当期純利益が全て赤字となっていた状況から黒字回復を果たしたと発表した。

» 2025年02月17日 07時30分 公開
[遠藤和宏MONOist]

 レゾナック・ホールディングスは2025年2月13日、オンラインで記者会見を開き、2024年12月期の連結業績(1月1日~12月31日)と2025年12月期の連結業績予想を発表した。

2024年12月期の連結業績

レゾナック・ホールディングス 取締役 常務執行役員 CFOの染宮秀樹氏 レゾナック・ホールディングス 取締役 常務執行役員 CFOの染宮秀樹氏[クリックで拡大]

 2024年12月期連結業績は、売上高が前年同期比7.8%増の1兆3893億円で、営業利益が787億円、経常利益が697億円、当期純利益が568億円となり、前年同期の全面赤字から黒字に回復した。

 レゾナック・ホールディングス 取締役 常務執行役員 CFOの染宮秀樹氏は「当期の営業利益と前期の営業損失の差異内訳に関して、当期は前期比で825億円の増益となった。そのうち、約半分を占めるのが販売数量差で405億円の増益だ。中でも半導体/電子材料セグメントは468億円の増益となった一方で、タイの自動車市場不振の影響を受けたモビリティセグメントは72億円の減益だった。販売価格差は219億円の増益だ。このうち77億円がケミカルセグメントの増益で、石油化学事業のナフサ価格上昇影響を反映した製品への価格転嫁が、黒鉛電極事業の市況悪化影響を上回った。その他差については円安効果や価格転嫁を目的とした製品値上げの成果で増益となった」と話す。

連結業績の概要(前期比) 連結業績の概要(前期比)[クリックで拡大] 出所:レゾナック・ホールディングス
連結営業利益差異内訳(前期比) 連結営業利益差異内訳(前期比)[クリックで拡大] 出所:レゾナック・ホールディングス

 同期の世界経済は、世界的な金融引き締めに伴う影響が続いた。また、ウクライナや中東情勢によるエネルギーと原材料のコスト高騰などが長期化し、供給面での制約が続いたものの、全体としては緩やかな回復が見られた。中でも半導体業界については比較的顕著な回復があった。国内経済は、個人消費や企業の設備投資に持ち直しの動きが見られ、全体として緩やかに回復した。

 セグメント別では、半導体/電子材料セグメントの売上高は同31.6%増の4451億円で、営業利益は629億円となり前年同期の赤字から黒字に転じた。同セグメントは主に半導体材料事業とデバイスソリューション事業から成る。半導体材料事業は市況の回復に伴う販売数量増により増収となった。デバイスソリューション事業は、ハードディスク(HD)メディアがデータセンター向け需要の回復により大幅に増収、シリコンカーバイド(SiC)エピタキシャルウエハーも販売数量が増加し増収となった。

 染宮氏は「増収増益の背景としては、半導体需要全体の回復に加えて、AI(人工知能)半導体の急成長で半導体材料の販売数量が伸長したことがある。また、HDメディアの販売数量が大幅に回復したことも挙げられる」と語った。

半導体/電子材料セグメントのサマリー 半導体/電子材料セグメントのサマリー[クリックで拡大] 出所:レゾナック・ホールディングス
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