　ENEOSとTOPPANホールディングスは、エネルギーの脱炭素化と循環型社会の実現に向け、難再生古紙などを原料とした国産バイオエタノール事業の立ち上げについて共同で検討協議を2021年に開始した。2024年3月には事業化に向けた実証事業を開始。今回はその推進の一環として、パイロットプラント建設に向けた工事に着手することを決定した。

パイロットプラントイメージ図［クリックで拡大］出所:TOPPANホールディングス

　同実証では、TOPPANホールディングスの前処理プロセスとENEOSが開発しているエタノールの連続生産技術を組み合わせて、スケールアップ検討を行う。TOPPANホールディングスの前処理プロセスは、防水加工された紙やノーカーボン紙などの難再生古紙から不要部分を取り除き、繊維分が豊富な原料にする。

　日本製紙は、富士工場の一部敷地の提供およびパイロットプラントの一部（糖化発酵プロセス）の運転を担う。パイロットプラントにおける古紙の投入量は1日当たり約1～3トン（t）で、バイオエタノールの生産量は1日当たり約300リットル（l）を予定している。2027年前半に稼働を開始し、この実証を通じて得られる知見を生かして、2030年度以降に国産バイオエタノール事業の商用化を目指していく。

　なお、同実証は、2024年7月22日付で新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）の「バイオものづくり革命推進事業」に採択されている。

同実証の概要［クリックで拡大］出所:TOPPANホールディングス

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