パテント・リザルトの「繊維・紙・パルプ業界 他社牽制力ランキング2024」で東レが1位となった。2位に東洋紡、3位に王子ホールディングスが続いた。
パテント・リザルトは2025年6月30日、「繊維・紙・パルプ業界」の特許を対象にした特許審査過程で、他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「繊維・紙・パルプ業界 他社牽制力ランキング2024」を発表した。
集計対象は、2024年12月までに公開された全ての特許のうち、同年1〜12月末の期間に拒絶理由として引用された特許が対象だ。集計の結果、最も引用された企業が東レで、東洋紡、王子ホールディングスが続いた。
1位の東レは「シリコン密着性に優れた離型用二軸配向ポリエステルフィルム」に関する技術の特許が最も多く引用された。東洋紡など、計5件の審査過程で引用されている。他に、「柔軟で耐熱性に優れた高性能ポリオレフィン系発泡体」に関する技術の特許が、日東電工などの計4件の拒絶理由として引用されている。2024年に、東レの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱ケミカル(46件)で、続いて大日本印刷(27件)となっている。
2位の東洋紡は、「吸湿/吸水発熱性を発現するおむつ」に関する技術の特許が最も多く引用された。オルガノやユニ・チャームなどの計9件の審査過程で引用されている。他に、東洋クロスと共同保有の「機能層を有する基材フィルムから機能層を短時間で効率的に除去する方法」に関する技術の特許が、三菱ケミカルなどの計5件の拒絶理由として引用されている。2024年に、東洋紡の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱ケミカル(28件)で、次に東レ(22件)となっている。
3位の王子ホールディングスは、「優れた成形性と高い生産性を持つ、パルプを主成分とする紙製絞り成形容器」に関する技術の特許が最も多く引用された。TOPPANホールディングスなど、計5件の審査過程で拒絶理由として引用されている。2024年に、王子ホールディングスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は大王製紙(34件)で、続いて日本製紙(28件)となっている。
また、4位の帝人は「高容量かつ実用的な負荷特性を兼ね備えたリチウム二次電池用正極活物質」、5位の大王製紙は「防水性を有するヒートシール包装体」に関する特許が最も多く引用された。
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