第一工業製薬が加熱プロセスが不要な2液混合型硬化ウレタン樹脂を開発材料技術

第一工業製薬は加熱プロセスを必要としない2液混合型硬化ウレタン樹脂を開発した。

» 2025年02月05日 07時30分 公開
[遠藤和宏MONOist]

 第一工業製薬は2025年2月4日、加熱プロセスを必要としない2液混合型硬化ウレタン樹脂を開発したと発表した。2液混合型ウレタン樹脂はポリオール成分とイソシアネート成分の2種類の液体を混ぜて作製するウレタン樹脂を指す。

開発品の特徴

 今回の開発品は、加熱プロセスを全く必要とせず、常温で硬化する。これにより、エポキシ樹脂に相当する物理特性を持ちながら、エネルギー使用量を削減できる。さらに、常温で硬化させた場合でも約150℃のガラス転移温度(Tg)を持つ他、室温で約80MPaの高い曲げ強度を有することが特徴だ。

着色剤を配合し自作型に流して常温で硬化させたウレタン樹脂硬化物 着色剤を配合し自作型に流して常温で硬化させたウレタン樹脂硬化物[クリックで拡大] 出所:第一工業製薬

 これらの特徴を生かして、強度の必要な箇所や特に熱源付近の材料への活用が期待できる。同開発品の紹介は2024年10月に開始した。今後は半導体や電池などの電子/情報分野、エンジン周りなどの車載分野、構造用接着剤などの建築分野を中心に、2027年の採用を目標に掲げ、2030年度には売上高10億円を目指す。

開発の背景

 近年、CO2排出量の削減などカーボンニュートラルを推進する取り組みが増えつつある。この動きに伴いエネルギー使用量を削減する技術や製品に対するニーズが高まっている。

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