ニワトリが先のアプローチでIoT導入、まずはラズパイで生産管理指標を可視化せよあらためて取り組む中小製造業のIoT活用(3)(2/2 ページ)

» 2024年11月25日 07時00分 公開
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3.生産管理指標可視化手順

 これらのラズパイの特徴を生かして、生産管理指標の可視化を行う手順について説明します。

  • (1)設備の図面や仕様書を確認して信号の出力方法と出力先を確認する。
  • (2)アナログデータがデジタルデータかを判断してデータ収集方式を判断する。
  • (3)データを収集、蓄積する。
  • (4)生産管理指標を可視化する。

 上記(1)〜(3)については、連載「ラズパイで製造業のお手軽IoT活用」の第1回記事で詳しく紹介していますので、ぜひお読みください。

 (1)〜(3)でデータの収集と蓄積を行えるようにしてから、(4)の生産管理指標を可視化に進みます。可視化する情報は以下の3つです。

可動率または稼働率

 トヨタ生産方式を採用している製造業は可動率(べきどうりつ)を表示します。それ以外の製造業は稼働率を表示している例が多いです。この情報をリアルタイムに表示します(図2)。

図2 図2 稼働率表示の例[クリックで拡大]

設備稼働マップ

 稼働率の内訳を時間単位に表示します。この内容を見て稼働していない部分に着目し改善活動を行います(図3)。

図3 図3 設備稼働マップの例[クリックで拡大]

不良実績

 不良実績は不良原因別に現場で入力が必要となります。現場担当者が簡単に入力できるように±ボタンでの入力方法がお勧めです。収集後はパレート図に出力して改善活動を行います(図4)。

図4 図4 不良実績可視化の例[クリックで拡大]

 上記の手順でIoT技術と現場改善の両面で対策を行うことにより工程管理の強化が図れますのでぜひご参考下さい。



 次回は「IoTによる設備保全管理の強化」について具体的に解説します。(次回に続く)

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筆者紹介

株式会社アムイ 代表取締役
山田 浩貢(やまだ ひろつぐ)

NTTデータ東海にて1990年代前半より製造業における生産管理パッケージシステムの企画開発・ユーザー適用および大手自動車部品メーカーを中心とした生産系業務改革、

原価企画・原価管理システム構築のプロジェクトマネージメントに従事。2013年に株式会社アムイを設立し大手から中堅中小製造業の業務改革、業務改善に伴うIT推進コンサルティングを手掛けている。「現場目線でのものづくり強化と経営効率向上にITを生かす」活動を展開中。


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