横河計測は、コンパクトな高分解能オシロスコープ「DLM3000HD」シリーズを発売した。垂直軸分解能を12ビットに向上することで高精度な波形観測ができ、機能の拡充により解析作業効率を向上する。
横河計測は2024年9月12日、コンパクトな高分解能オシロスコープ「DLM3000HD」シリーズを発売した。500MHz帯域モデル「DLM3054HD」と350MHz帯域モデル「DLM3034HD」の2機種を展開する。
新シリーズは、垂直軸分解能を既存機種「DLM3000」シリーズより16倍高い12ビットに向上しており、高精度な波形観測が可能。次世代インバーターの開発においては、スイッチングなどの高速な信号の微細な変化を正確に観測でき、波形のオーバーシュートやリンギングなどの現象の検出が可能になる。
シリアルバス解析機能を拡張し、取り込み済みの波形データに対しても適用できるようにした。これにより、発生頻度が低い信号に対しても自動セットアップが適応でき、車載バスの開発や評価作業の効率化につながる。
従来製品比2倍に相当する1Gサンプル点のメモリを搭載することで、最大20万個の波形をヒストリ波形として保持できる。サーチ照合できる波形の倍増に加え、最大2.5Gサンプル/秒の高速サンプルレートが評価と解析作業の効率を向上する。
さらに、2台同期測定(DLMsync)機能により最大8アナログチャンネルの同時測定ができ、電子制御ユニットが多数ある電源投入シーケンスの動作確認とともに、ユニットのデバッグが可能になる。高精度な計測ニーズが高まるカーエレクトロニクスやパワーエレクトロニクス市場において、開発効率の向上を支援する。
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