中国の低迷や米国の一服感……グローバル新車生産が2カ月ぶり減少自動車メーカー生産動向(3/3 ページ)

» 2024年07月30日 06時00分 公開
[MONOist]
前のページへ 1|2|3       

マツダ

 8社の中で最も高い伸びを示したのがマツダだ。5月のグローバル生産台数は、前年同月比16.6%増の9万5150台と5カ月ぶりにプラスへ転じた。主力の国内生産が同8.8%増の5万5523台と5カ月ぶりのプラスだったことが大きい。車種別では主力の「CX-5」が同10.5%増と伸長した他、北米向け3列シートラージSUV「CX-90」が本格生産により同187.0%増と倍増した。「CX-30」も同30.5%増と貢献した。その結果、輸出も好調な北米向けが欧州向けの落ち込みをカバーし、同19.8%増とプラスを確保した。

 なお、マツダは型式指定申請の手続きで不正行為が判明し、「ロードスターRF」と「マツダ2」の2車種について6月6日以降生産を停止した。国土交通省が同月28日付で出荷停止指示を解除したことを受けて、マツダ2は7月18日から、ロードスターRFは同月22日から生産を再開している。

 国内以上に好調なのが海外生産だ。前年同月比29.6%増の3万9627台と2カ月連続で前年実績を上回った。8社で最も高い伸びだ。けん引役は北米で、2023年7月末から2直化した米国が同118.9%増と倍増。メキシコも同23.7%増と2桁パーセント増を確保した。加えて長らく低迷が続いていたタイが同7.5%増と増加した他、中国も同0.9%増と2カ月ぶりに前年実績を上回った。

スバル

 スバルの5月のグローバル生産台数は、前年同月比1.0%減の7万9580台と4カ月連続のマイナスとなった。ただ、8社の順位では、三菱自動車を押さえて7位だった。国内生産が同6.8%減の4万6400台と4カ月連続で前年実績を下回った。4月に続き北米向け「フォレスター」の新型車への切り替えで減少した。ただ、輸出は同6.6%増と3カ月ぶりに増加した。

 一方、海外生産は好調を維持している。唯一の海外拠点である米国生産は、前年同月比8.6%増の3万3180台と2カ月連続の増加。米国での「クロストレック」の生産開始が効いた。

三菱自動車

 8社で最下位となったのが三菱自だ。5月のグローバル生産台数は、前年同月比2.6%減の7万3927台と2カ月ぶりのマイナスだった。要因は海外生産で、同17.7%減の3万6505台と2カ月ぶりに減少し、8社の海外生産で最大の落ち幅となった。主要地域である東南アジアの市況低迷が響いており、最大拠点を構えるタイが同23.0%減、インドネシアが同32.1%減と振るわない。

 一方、国内生産は、前年同月比18.7%増の3万7422台と2桁パーセント増を記録し、2カ月連続のプラス。新型車「デリカミニ」が高い人気を集めており、国内生産全体を押し上げている。輸出は同5.2%減と2カ月ぶりのマイナスだった。

→「自動車メーカー生産動向」のバックナンバーはこちら

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.