ホンダは8年ぶりにフルモデルチェンジした「FREED」を発表した。
ホンダは2024年6月27日、8年ぶりにフルモデルチェンジした「FREED(フリード)」を発表した。発売日は同月28日。
先代モデルではハイブリッドシステムが1モーターの「i-DCD」だったが、フルモデルチェンジで2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」に変更。取り回しのよいボディーサイズを維持するため、ハイブリッドシステム変更による全長の拡大は45mmにとどめた。デザインは、ユーザーのライフスタイルに合わせて選べるようシンプルな「AIR(エアー)」と力強く遊び心のある「CROSSTAR(クロスター)」の2種類を用意した。
全国メーカー希望小売価格(税込み)はハイブリッドモデルが285万7800〜343万7500円、ガソリンエンジンモデルが250万8000〜308万7700円。既に先行して2万4000台を受注しているという。内訳はハイブリッドモデルが85%、ガソリンエンジンモデルが15%だ。
ミニバンの中でもフリードのようなコンパクトなタイプの市場は非常に安定しているという。ライフスタイルによってクルマを乗り換える際に、コンパクトなミニバンはアップサイズとダウンサイズの両方でユーザーが流入してくるためだ。ちょうどいいサイズ感だと考え、ライフスタイルの変化に関係なくコンパクトなミニバンに乗り続ける人も多いのだという。
ハイブリッドモデルのエンジンは先代モデルに対して燃焼を高速化し、フリクションを低減することで最大熱効率を40%以上に引き上げた。また、モーターによって低速域からの力強い走りと、乗員が安心できる穏やかでスムーズな走りを実現するとしている。ハイブリッドモデル(FF)の燃費は先代モデルの20.9km/lから25.6km/lに改善した。
ハイブリッドモデルとガソリンエンジンモデルの両方に「リアルタイムAWD」を設定した。雪上走行や悪天候でも安定したドライビングを提供する。特にハイブリッドモデルでは、モーターの特徴である大トルクを最適に駆動配分することで、さまざまな路面環境で安定感が得られるという。
運転に不慣れな人でも安心して運転でき、同乗者に不安を感じさせない穏やかな乗り心地を実現するなど、乗員全員に余裕をもたらすようなダイナミクス性能を目指したという。ボディーの剛性バランスを適正化し、ドライバーの意思に忠実に応える素直で安心感の高いハンドリング性能を追求したとしている。また、サスペンションのフリクションを低減し、荒れた路面の走行や段差を乗り越す際の振動を抑制することで、快適な乗り心地を実現した。
エクステリアは、クルマ全体をシンプルな造形かつ上質なデザインとすることを目指し、クルマとしての使い勝手の良さや信頼感を感じさせるスタイリングにしたという。ユーザーは男女問わず、若い世代から子育てを終えたシニアまで幅広いため、個性を持ちながら多くの人に受け入れられることを目指した。気楽に扱えることや誰にでもどこにでも似合うことにこだわった。
フロントは、ヘッドライトやフロントグリルのシャープな造形により凛とした表情を演出した。サイドは、ヘッドライトからキャラクターライン、リアライセンスガーニッシュまで、つながりのある水平基調のラインで構成。シャープなキャラクターラインの造形も用いることで、シンプルでありながら「クオリティーの高さを感じさせるデザインとした」(ホンダ)。
フロントピラーの付け根をタイヤの真上に配置することで、タイヤの位置がイメージしやすく、車幅がつかみやすいデザインとした。また、フロントピラーの一本化やドアミラーの位置の変更により、斜め前方の視界をより向上させ、歩行者を認識しやすくした。
リアは、安定感がありスタンスの良い台形のフォルムや、先代モデルより低い位置に縦基調に配置したリアコンビネーションランプなどで、走りの良さや広い室内空間を想起させるデザインとした。
フリードクロスターは、フリードエアーのデザインをベースに、クロスター専用のブラックのフロントバンパーやホイールアーチプロテクター、サイドシルガーニッシュ、また、高輝度シルバーの専用フロントグリル、リアロアガーニッシュ、ルーフレールなど、さまざまな専用装備を採用。アクティブな活動を後押しする力強さを表現したとしている。
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