日立造船は、同社グループで舶用エンジン事業を行う連結子会社の日立造船マリンエンジンとアイメックスにおいて、舶用エンジンの陸上運転記録に不適切な書き換えが行われていたことを明らかにした。
日立造船は2024年7月5日、同社グループで舶用エンジン事業を行う連結子会社の日立造船マリンエンジンとアイメックスにおいて、舶用エンジンの陸上運転記録に不適切な書き換えが行われていたことが発覚したと発表した。
発覚の流れは以下の通りだ。2024年4月24日に国土交通省海事局から舶用エンジンメーカーに対し、環境と安全に関する規制順守の徹底と適切な業務運営に関する注意喚起があり、日立造船マリンエンジンとアイメックスでは社内調査を開始。その結果、顧客立ち合いの陸上運転(陸上公試運転)に関して提出した「陸上運転記録(TEST RESULTS OF SHOP TRIAL)」の「燃料消費率」に関するデータの不適切な書き換えがあったことが確認された。具体的には、燃料消費量が実際と違う値が表示される装置を使用しており、NOx放出量の算出に影響を及ぼしている可能性があることが分かったという。
調査対象の舶用エンジンの台数は日立造船マリンエンジン(1999年11月以降)が950台、アイメックス(1999年9月以降)が416台で、その内、データ書き換えが行われていなかったのはアイメックスの2台のみで、その他の全てでデータの書き換えが行われていた。
関係者へのヒアリングでは、陸上公試運転時に燃料消費率を顧客仕様の許容値内におさめたり、データのバラツキを抑えたりするために書き換えをしていたとしている。現在は適正なデータを使用した陸上公試運転を行うように対応しており、現時点で調査対象エンジンで安全性に疑義があるような事案は確認されていないという。法令や規格などへの抵触については現在確認中だとしている。
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