島津製作所は、同社の子会社で医用機器製品の販売や保守業務を手掛ける島津メディカルシステムズの保守点検業務に関する不正行為に対し、熊本県から業務改善命令を受けたと発表した。
島津製作所は2023年8月18日、同社の子会社で医用機器製品の販売や保守業務を手掛ける島津メディカルシステムズの保守点検業務に関する不正行為に対し、島津メディカルシステムズ 九州支店 熊本営業所が熊本県から業務改善命令を受けたと発表した。
2022年9月に発覚した島津メディカルシステムズによる保守点検業務に関する不正行為は、内容が非常に悪質だったことから注目を集めた。島津メディカルシステムズ 熊本営業所に所属するサービス技術者が、まず熊本県内の5つの医療機関に納入したX線装置の保守点検の際に、電力供給回路に不正に外付けタイマーを取り付けた。このタイマーを作動させることで、一定期間経過後に意図的にエラーを発生させてX線装置が故障であるかのように装い、保守(補修)部品の交換を有償で行っていたという。不正は、2016〜2018年にかけて行っており、最終的に7人の嫌疑濃厚者を特定し5件の医療機関に対する不正行為が確認されている。
これに対し、熊本県から「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)」に基づく医療機器修理業に関する業務改善命令を受けた。業務改善命令の内容は、以下の3点となる。
基本的には2023年2月に外部調査委員会によって示された調査報告書とそれに伴う改善内容によってカバーされている内容であり、島津製作所ではこれらに沿った形で、再発防止策の徹底を進めていく方針だ。なお、今回の業務改善命令を受け、島津製作所 代表取締役会長の上田輝久氏、同代表取締役社長の山本靖則氏、同常務執行役員の青山功基氏が、月額報酬の10%(1カ月)の自主返納を行うとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.