横浜ゴムは、米国のソリューションプロバイダーであるRubberWayのリスク評価ツール「RubberWay Geo-Mapping」を導入し、天然ゴムのトレーサビリティーを向上している。
横浜ゴムは2024年5月17日、持続可能な天然ゴム調達の促進に向けて、天然ゴム業界向けの持続可能性ソリューションプロバイダーであるRubberWayが2024年3月に発表したリスク評価ツール「RubberWay Geo-Mapping」を導入したと発表した。
横浜ゴムグループが多様な製品の原料として調達する天然ゴムのサプライチェーンには、多数の小規模ゴム農園、仲介業者、加工工場などが介在し、複雑な構造となっている。そのため、サプライチェーンにおける違法な森林破壊、水資源管理などの環境問題、児童労働、強制労働、地域社会への影響などの社会問題に関するリスクの評価/モニタリングが困難で、持続可能な調達を促進する上でトレーサビリティーの確保が課題となっていた。
そこで、横浜ゴムはRubberWay Geo-Mappingを導入した。RubberWay Geo-Mappingは、農家の位置情報や環境問題および社会問題に関する情報を評価/モニタリングすることができるアプリケーションソフトで、現在3万以上の農園がシステムに登録されている。今回の導入により、サプライチェーンにおける天然ゴムのトレーサビリティーの向上を図り、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の提言に基づく開示や欧州森林破壊防止規則※1(EUDR)への対応を加速していく。
※1 欧州森林破壊防止規則:2024年12月30日から、EU域内で天然ゴムなどの関連商品を扱う事業者は森林破壊によって開発された農地で生産されたものでないことのデューデリジェンスが義務付けられる。
横浜ゴムは、持続可能な天然ゴムのためのプラットフォーム(GPSNR)に創設メンバーとして参画するとともに、2021年9月には従来の「持続可能な天然ゴムの調達方針」を改定し、GPSNRの活動との連携を強めている。今回のリスク評価ツール導入は、同方針に掲げられた「トレーサビリティーの向上」「環境への取り組み」を反映したもので、今後も同方針で定めた活動指標に沿った取り組みを実施し公表していく。また、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に取り組んでおり、その一環として天然ゴムをはじめとしたサステナブルな原料調達に向けた活動を推進している。
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