連載第3回で説明した「変位−ひずみマトリクス[B]」と「応力−ひずみマトリクス[D]」を使って、仮想変位のひずみ、本当のひずみおよび本当の応力は次式で表されます。
式18右辺に、式19を代入します。
転置マトリクスの公式を使います。次式です。
{δ*}T、{u}、hは座標(x,y)の関数ではないので積分の外に出します。
上式を使うと式18は次式となります。
{δ*}Tを取り除き、左辺と右辺を入れ替えます。
式11を再掲します。
式25と式11を見ると、要素剛性マトリクスは次式で求まります(参考文献[1])。
3次元問題の場合は次式となります。
何だか狐につままれた感じで要素剛性マトリクスが導けました。式26、式27は1次要素、2次要素でも同じです。以上で有限要素法の説明は終わりです。「レーレー法」の説明を除くとA4用紙20ページちょっとになりました。これで有限要素法プログラムが作れるはずです。
仮想仕事の原理がピンとこないときは、「エネルギー最小の原理」からでも要素剛性マトリクスが導出できます(参考文献[2])。手順は長いですがしっくりくるかと思います。
式26は2次元平面応力要素ですが、これに板の曲げ理論を追加すると初期の3次元シェル要素になり、3次元解析が可能になります。かつては3次元ソリッド要素よりもシェル要素の方が出番が多かったと思います。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.