三菱化工機は、日本製鉄から水素還元製鉄実証用の水素製造設備を受注した。日本製鉄は同設備を用いて水素を製造し、CO2の排出を抑制する水素還元技術の確立に向けた実証に取り組む。
三菱化工機は2024年3月13日、日本製鉄から、水素還元製鉄実証用の水素製造設備(ICI式水素製造設備)を受注したと発表した。
水素還元製鉄は、鉄鉱石から銑鉄を作る高炉プロセスにおいて、炭素ではなく水素で鉄鉱石を還元することによりCO2の排出を抑制する技術だ。
日本製鉄ら製鉄会社4社は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「グリーンイノベーション基金事業/製鉄プロセスにおける水素活用プロジェクト」において、研究開発項目「高炉を用いた水素還元技術の開発 外部水素や高炉排ガスに含まれるCO2を活用した低炭素化技術等の開発」を提案し、採択されている。
同開発項目では、高炉への水素還元技術の適用や、低品位の鉄鉱石を水素で直接還元する直接水素還元技術の確立により、高炉から排出されるCO2を50%以上削減することを目指している。
日本製鉄は、三菱化工機が納入する設備を用いて水素を製造し、多量の水素を高炉に吹き込む「水素直接吹き込み」方式の実証に取り組む。
三菱化工機が納入する2系統の水素製造設備は、1時間当たり3万7500Nm3(ノルマルリューベ)の製造能力を備える。これは、水素充填量が約60Nm3の水素燃料電池車を1時間で約1200台充填できる能力に相当する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.