堀場製作所は、「JASIS 2023」(2023年9月6〜8日)に出展し、ブース内で「HORIBAブースツアー」を開き、「エネルギー/環境」「先端材料/半導体」「バイオ/ヘルスケア」のビジネスフィールドで展開する事業や製品について紹介した。
堀場製作所は、「JASIS(Japan Analytical & Scientific Instruments Show)2023」(2023年9月6〜8日、幕張メッセ)に出展し、同月6日にブース内で「HORIBAブースツアー」を開き、「エネルギー/環境」「先端材料/半導体」「バイオ/ヘルスケア」のビジネスフィールドで同社が展開する事業や製品について紹介した。
同社は1945年に堀場無線研究所として創業し、1950年3月に国内初のガラス電極式pHメーターを開発した後、1953年に堀場製作所を創立し、それ以降、工業用赤外線ガス分析計国産第1号「GA形」や自動車排ガス測定装置の世界ブランド「MEXA」、世界初のX線分析顕微鏡の開発(同社調べ)などを行ってきた。
これまでは、自動車、環境、医療、半導体、化学の事業セグメントでビジネスを展開してきた。2023年からは共創によるシナジーの創出を狙い、事業セグメントを融合して、エネルギー/環境、先端材料/半導体、バイオ/ヘルスケアというビジネスフィールドを設定し、これらのフィールドを対象に製品開発や事業展開を行っている。
堀場製作所の説明員は「ビジネスフィールドに関して、売上高の順でいえば、エネルギー/環境、先端材料/半導体、バイオ/ヘルスケアとなる。なぜかというと、エネルギー/環境のビジネスフィールドでは、売上高が高い自動車と環境のセグメントや堀場アドバンステクノの水質計測機を扱っているからだ」と話す。
エネルギー/環境のビジネスフィールドでは、同社の自動車と環境向けの技術を基盤に、自動車の排ガス計測や自動車全般の評価につながるソリューションを顧客に展開する自動車セグメントを扱っている他、大気/水質の測定装置も販売している。加えて、自動車と環境向けの技術を組み合わせ、エネルギー向けソリューションの開発を検討している。「現在は、『水素』『バッテリー』『カーボンニュートラル』を対象としたエネルギーソリューションの開発を検討している」と説明員はいう。
全固体電池と液系リチウムイオン電池などのバッテリーについては、製造工程、ユーザーの利用工程、リサイクル工程で役立つ分析装置を既に開発しており、メーカーなどに提案している。さらに、2018年に、電動化車両用バッテリーや燃料電池の開発/製造販売を行っていたドイツのFuelCon(フュエルコン)をグループ会社のホリバ・ヨーロッパが買収したことで傘下となったHORIBA FuelConが展開する固体高分子形燃料電池(PEFC)や固体酸化物形燃料電池(SOFC/SOEC)用の評価装置も扱っている。
先端材料/半導体のビジネスフィールドでは、半導体製造プロセスの分析/計測で役立つ、フォトルミネッセンス装置や分光エリプソメーター、カソードルミネッセンス装置、薬液濃度モニター、デジタルマスフローコントローラー、プラズマ発光モニター、レティクル/マスク異物検査装置、CMPスラリー粒子径装置などを展開している。
「当社では、半導体製造のさまざまな工程で使える計測/分析ソリューションなどを扱っている。これらのソリューションの中で、最も売上高が高いのはグループ会社の堀場エステックが開発したデジタルマスフローコントローラーだ。当社のデジタルマスフローコントローラーは、薄膜形成装置でウエハー薄膜を形成する際に使用するガスを精密にコントロールできるもので、世界シェアで1位を獲得している」と説明員はコメントした。
今後は、これまで研究所を対象に販売していたX線装置や分光装置などの理化学機器の半導体メーカーへの展開と、クリーンルーム向けトータルソリューションの開発を検討している。
バイオ/ヘルスケアのビジネスフィールドでは、医療の事業セグメントを扱っており、これまで血球カウンターを中心に製品を展開してきた。今後は、ライフサイエンス分野で、バイオ医薬品の研究と製造プロセスを対象に、堀場製作所の分光技術を展開していく見込みだ。
説明員は「一例を挙げると、製薬の研究と製造プロセスを対象に展開する製品には三次元蛍光測定装置『Aqualog』がある。Aqualogは、堀場製作所の独自技術である蛍光分析技術『A-TEEM』と多変量解析『PARAFAC解析』を組み合わせることで、培地成分の経時変化を短時間/低コスト/高感度で評価できる。加えて、通常蛍光スペクトルは試料自体の光の吸収分の影響を受けているが、Aqualogは、その影響分を自動的に差し引き、真の蛍光スペクトルを得られるため、試料の定量および定性分析がしやすい」と語った。
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