富士キメラ総研は、エレクトロニクス先端材料の世界市場に関する調査結果を発表した。2023年の在庫調整を経て、2024年から2025年にかけては、2022年の販売規模に戻る予想だ。
富士キメラ総研は2024年2月14日、エレクトロニクス先端材料の世界市場に関する調査結果を発表した。半導体関連14品目、基板、回路関連14品目、ディスプレイ関連9品目、脱炭素ソリューション関連8品目の計45品目を対象に、市場動向を分析した。
コロナ特需の反動などの影響により、2022年後半に需要が急減した同市場は、2023年の在庫調整を経て、現在は回復傾向にあるとみられる。2024年から2025年にかけては、2022年の販売規模に戻る予想だ。
半導体関連では、ウエハーに塗布するフォトレジスト(EUV)の伸長率が高くなると見込まれる。全体では2023年に前年比−1.8%となるものの、中長期的な需要増を見据えた設備投資計画も多く、2024年にはプラス成長に転じると予想する。
2023年にAI(人工知能)サーバ向けが急伸長した基板、回路関連は、今後も拡大が続く見込みだ。特に電気自動車(EV)の車載インバーターに用いられるフィルムコンデンサーは、単価も高く、高い伸び率が期待される。
2023年にマイナスとなった絶縁樹脂のソルダーレジストは、液状からフィルムへの切り替えが進むものの、2024年以降は液状、フィルムともに需要の増加が予想される。2030年におけるソルダーレジストフィルムの世界市場は、2022年比2.4倍の692億円となる見通しだ。
ディスプレイ関連では、有機ELディスプレイ(OLED)市場の成長が続くとみられる。TVのサイズアップなどを要因に、今後は微増で推移すると予測する。
脱炭素ソリューション関連は、2025年以降から普及段階に入り、2030年には2022年比4.5倍となる高成長を予想する。ポリマー光導波路は、2027年頃からデータセンター内通信におけるCPO(Co-Packaged Optics)への応用が始まり、市場が急拡大する見通しだ。
また、世界的な脱炭素化の動きに伴い、次世代の発電技術に関心が高まっており、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電変換デバイスは、2023年に日系メーカーも参入した。2030年における市場規模は、2022年比34倍の102億円に達すると予測している。
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