森田化学工業は、「ケミカルマテリアルJapan2025」で、研究開発を進めている「フッ化リチウム ナノ粒子分散液」と「フッ化マグネシウム ナノ粒子分散液」を紹介した。
森田化学工業は、「ケミカルマテリアルJapan2025(Chemical Material Japan2025)」(会期:2025年11月27〜28日、東京ビッグサイト)内の「第8回 先端化学材料・素材総合展」に出展し、研究開発を進めている「フッ化リチウム ナノ粒子分散液」と「フッ化マグネシウム ナノ粒子分散液」を紹介した。
フッ化リチウム ナノ粒子分散液は、リチウムイオン電池などの正極材料に添加すると、正極表面に固体電解質面(SEI)を形成し、正極の劣化を防ぎつつイオン伝導を阻害しないよう制御できるため、同電池の長寿命化に貢献する。
森田化学工業の説明員は「フッ化リチウム ナノ粒子分散液は分散性が比較的高く、原料に有機フッ素化合物(PFAS)関連物質が利用されていないといった利点がある。現在は、各種溶媒に分散させる方法や、さらに微粒化させる方法を研究開発中だ」と話す。
同製品の粒子成分はフッ化リチウムで、濃度は5〜15wt%、溶媒種はN-メチル-2-ピロリドン(NMP)やプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)などに対応し、粒子径は150〜250nmとなっている。
フッ化マグネシウム ナノ粒子分散液は、高純度なフッ化マグネシウムを利用している他、低い屈折率(1.36)を有する微小粒子だ。同製品は、光学材料(樹脂など)に混ぜ込むことで、素材全体の屈折率を下げられる。「フッ化マグネシウム ナノ粒子分散液も分散性が高く、PFAS関連物質は不使用だ」(同社の説明員)。
同製品の濃度は10〜20wt%で、溶媒種はNMPやPGMEAに対応する。粒子径(d50)は40〜100nmとなっている。同社の説明員は「用途としては、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)などのヘッドセットに使用されるレンズ材料などでの利用を想定している」と語った。
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