IIFES2024 特集

データ収集で工場をスマート化、MECHATROLINK協会がネットワーク活用のデモ展示IIFES 2024

MECHATROLINK協会は「IIFES 2024」において、MECHATROLINK-4とΣ-LINK IIを活用したスマート工場のデモを披露した。

» 2024年02月15日 09時30分 公開
[長沢正博MONOist]

 MECHATROLINK協会は「IIFES 2024」(2024年1月31日〜2月2日、東京ビッグサイト)において、MECHATROLINK-4とΣ-LINK IIを活用したスマート工場のデモを披露した。

ネットワーク活用によるスマート工場のデモ[クリックで拡大]

 各種機器とコントローラーをつなぐネットワークであるMECHATROLINKは現在、MECHATROLINK-4まで仕様が策定されている。MECHATROLINK-4は全二重通信に切り替えることで伝送効率を大幅に向上しており、同一台数であれば伝送周期を従来の約4分の1に短縮する。また、スレーブごとに異なる周期設定が可能で、同一ネットワーク上に複数の伝送周期を存在させ、各スレーブ機器を最適な伝送周期で制御することができる。

 Σ-LINK IIは従来のエンコーダー用通信(Σ-LINK)としての機能、通信を維持しつつMECHATROLINKのようなカスケード接続を可能としており、エンコーダー配線にセンサーやI/O機器などをカスケードに接続することで、システムの高機能化、高性能化と省配線化を実現する。

 ブースに置かれた模型のプレス機からは、金型の表面温度を測る温度センサー、金型へのトルク値を見るロードセルの他、材料注入の状態やリミットスイッチの情報をΣ-LINK IIとMECHATROLINK-4を活用してサーボアンプ経由でコントローラーに送り、PCのモニターに見える化した。

同期したデータをモニターで表示[クリックで拡大]

「スマート工場の本質は、データを集め、解析して、それを生産性向上や予防保全につなげることだ。そういったスマート工場にMECHATROLINK-4とΣ-LINK IIがどう関わるかを見せたデモになる。データを取るためにセンサーを増やすとI/Oなどの配線も大変になる。そこでエンコーダー用の通信にデータを乗せれば効率よくデータを取ることができる」(MECHATROLINK協会の説明員)

 Σ-LINK IIとMECHATROLINKを組み合わせることで、センサーデータとモーションデータの同期が可能になる。「一定のリズム、周期でデータを取ることができると、同時期に取れたデータとして扱うことができ、並べて見た時にいつもと違う動きがあればすぐに分かる」(同 説明員)。

 MECHATROLINK-4に対応したモベンシスのモーションコントローラー「WMX3」を使い、2台のパラレルリンクロボットを動かすデモも披露した。デモ機は3軸と2軸のユニットは1台、単軸のユニットは3台で構成されており、計8軸を同期制御している。

 その他、パートナーエコシステムを構築する安川電機やオリエンタルモーター、モベンシス、横河電機、キーエンス、マイクロ・テクニカ、システックがMECHATROLINK対応製品などを展示した。

MECHATROLINK-4対応のソフトモーションコントローラーで2台のパラレルリンクロボットを動かす[クリックで拡大]
パートナー各社がMECHATROLINK対応製品などを展示[クリックで拡大]

⇒その他の「FAニュース」の記事はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.