旭化成は、アニオン交換型の水電解装置用の膜を取り扱う、カナダのスタートアップ企業Ionomr Innovationsに出資参画することを発表した。ノウハウを提供するなど研究開発分野での連携を深め、膜の性能強化も支援する。
旭化成は2023年12月6日、カナダのIonomr Innovations(アイオノマーイノベーションズ)への出資参画を発表した。
2018年創業のIonomr Innovationsは、アニオン交換型の水電解装置用の膜(Anion−Exchange Membranes:AEM)を開発するスタートアップ企業だ。
次世代エネルギーとして注目される水素を製造する技術のうち、アニオン交換型は、触媒に希少金属を使用しない。そのため、他の製造方法に比べてコストを削減できる。また、Ionomr Innovationsのアニオン交換型は、再生可能エネルギーを利用する際に必要となる負荷変動への適応性を有する。
旭化成は、2010年にアルカリ水電解による水素の製造技術を開発。福島県浪江町で10MW級の大型アルカリ水電解システムを稼働するなど、実証を重ねてきた。同社は今回の出資を通じて、AEMに関する知見を広げる考えだ。
今後はノウハウを提供するなど、研究開発分野での連携を深める。また、Ionomr Innovationsが手掛ける膜の性能強化も支援する。
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