レゾナックは、冷蔵不要の半導体モールド金型向けクリーニングシートを開発した。常温で保管や輸送ができ、従来のメラミンクリーニング樹脂と比べて、金型の洗浄時間を3分の1に短縮できる。
レゾナックは2023年9月1日、冷蔵が不要な半導体モールド金型向けクリーニングシートを開発したと発表した。洗浄用の「N-CS-7500」とコンディショニング用の「N-CS-3700」、2製品を投入する。
半導体は、ICチップや配線などをまとめてモールド封止した半導体パッケージの状態で使用される。半導体をモールド封止した後は、金型に付着した樹脂材料を洗浄し、次のモールド材を注入できるよう、コンディショニング(離型剤塗布)をする。
同社は豊富なノウハウや知見を生かし、材料を再構成することで、35℃の常温環境で12カ月保管しても高いクリーニング性能を維持できるシートを開発した。
金型洗浄では、クリーニングあるいはコンディショニングシートを金型で挟み、解放するサイクル(=1ショット)が数回必要となる。従来のメラミンクリーニング樹脂と離型剤を用いた場合は、洗浄に13ショット104分、ダミーショットと外見確認の20分を合わせて124分かかっていた。両製品は、4ショット20分、ダミーショットと外見確認の20分、合計40分で洗浄が完了。クリーニング時間を3分の1に短縮できる。
これまで金型の洗浄やコンディショニングに使われていたクリーニングシートは、保管や輸送において冷蔵が必要だったが、両製品は常温保存が可能なため、環境対応製品といえる。同社は、今後も顧客の製造プロセスまで考慮した環境対応製品を提供し、サステナブルな社会づくりに寄与していく。
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