伊藤忠商事とレゾナックが使用済みプラと繊維のリサイクルに向けた共同検討を開始リサイクルニュース

伊藤忠商事とレゾナックは、使用済みプラスチックと繊維の循環事業推進に向けた共同検討に関する覚書を締結した。レゾナック川崎事業所のプラスチックケミカルリサイクルプラントを活用し、資源循環の仕組みを構築する。

» 2023年04月14日 13時30分 公開
[MONOist]

 伊藤忠商事は2023年3月29日、使用済みプラスチックと繊維の循環事業推進に向けた共同検討について、レゾナックと覚書を締結したと発表した。レゾナック川崎事業所(神奈川県川崎市)のプラスチックケミカルリサイクルプラント(KPR)を活用し、資源循環の仕組みを構築する。

 今回の共同検討では、循環型プロジェクト「ARChemia(アルケミア) プロジェクト」を立ち上げる。伊藤忠商事が使用済みプラスチックと繊維を混合したリサイクル固形原料のRPAFをレゾナックに供給し、それを原料として、KPRで低炭素アンモニアなどの化学製品を製造する。

キャプション 「ARChemia プロジェクト」の概要[クリックで拡大] 出所:伊藤忠商事

 2003年に操業を開始したKPRは、使用済みプラスチックをガス化し、水素などにリサイクルする設備だ。この水素を原料に製造する低炭素アンモニアは、CO2排出量を80%強削減でき、環境性能に優れる。しかし、アンモニアの製造工程で、天然ガス由来の水素も使用していることが課題となっていた。

 伊藤忠商事では、子会社との実証実験により、RPAFが低炭素アンモニアの原料として利用できることを確認している。このRPAFをKPRでの製造工程に活用することで、100%廃棄物由来の原料への置き換えを支援する。また、化学品と繊維分野における同社のネットワークを活用し、使用済みプラスチックや衣料品の回収、中間加工業者とのRPAF製造における協業を進め、資源循環プラットフォームの形成を目指す。

 さらに今後、RPAFの供給だけでなく、環境付加価値の高いKPR製の低炭素アンモニアなどの化学製品の販売にも協力する。

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