国内のバイオプラスチック販売量、2030年に8万1015tに拡大製造マネジメントニュース

矢野経済研究所は、国内外のバイオプラスチック市場に関する調査結果を発表した。国内のバイオプラスチック販売量は、2021年の4万2000トン(t)から、2030年には8万1015tに伸びると予測している。

» 2025年06月16日 11時00分 公開
[MONOist]

 矢野経済研究所は2025年5月29日、国内外のバイオプラスチック市場に関する調査結果を発表した。バイオベースプラスチックと生分解性プラスチックを対象に、原料別、樹脂別、ユーザー企業別の動向、将来展望を分析した。

 調査によると、国内におけるバイオプラスチック販売量は、2021年の4万2000トン(t)から、2030年には8万1015tに伸びると予測している。バイオベースプラスチックはレジ袋や容器包装、生分解性プラスチックは農業用資材やカトラリーなどの使い捨てプラスチックを中心に使用されている。なお、バイオPE(バイオポリエチレン)やPLA(ポリ乳酸)は欧米からの輸入が多く、海外に依存している状況だ。

キャプション バイオプラスチックの国内販売量予測[クリックで拡大] 出所:矢野経済研究所

 国土交通省は、植物由来材料や廃食油などの再生可能な資源および廃棄物を原料とした航空燃料のSAF(Sustainable Aviation Fuel)について導入の義務化を検討している。そのため2025年以降、大手石油精製メーカーがSAF製造プラントの稼働を予定している。

 SAF製造時にはバイオマスナフサが副産物として生産され、バイオマスナフサ由来のバイオプラスチックが市場の成長に寄与すると期待される。バイオマスナフサの生産量は、2030年までに最大12万6000tになる見込みだ。

 また、近年では、化石燃料由来の原料に依存しないCO2を原料とした化学品の製造も活発化している。

 湿度が高く、国土面積が狭い日本では、生分解性プラスチックの堆肥化用設備の設置が困難で、欧米のような生分解性プラスチックへの移行はリスクを伴うと考えられる。同社は、生分解性プラスチックのみならず、リサイクルが可能なバイオマスナフサ由来やCO2由来のバイオプラスチックの導入が市場拡大につながると分析している。

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