日本製紙クレシアは、「第23回JAPANドラッグストアショー」内のホームケアゾーンに出展し、パネルなどを用いてリサイクルや環境配慮の取り組み、資源を取り巻く環境問題を紹介した。
日本製紙クレシアは、「第23回JAPANドラッグストアショー」(2023年8月18〜20日、東京ビッグサイト)内のホームケアゾーンに出展し、パネルなどを用いてリサイクルや環境配慮の取り組み、資源を取り巻く環境問題を紹介した。
同社が所属する日本製紙グループでは、植林し成長した木を伐採してパルプに加工している。その紙パルプを基に、日本製紙クレシアではティッシュやトイレットペーパーを製造している。加えて、使用済みのティッシュ箱やダンボール箱を回収し、日本製紙グループの工場で紙として再生し、ティッシュやトイレットペーパーの材料に活用している。
このように製造された紙では森林管理協議会(FSC)の認証を受けており、日本製紙クレシアの商品ではFSC認証を取得した紙を採用している。FSC認証は、環境、社会、経済の利益にかない、きちんと管理された森林から生産された林産物や、その他のリスクの低い林産物を使用した製品を目に見える形で一般消費者に届ける仕組みで、認定された独立した第三者認証機関による審査の後、規格を満たしたと判断された場合に発行される。
また、日本製紙クレシアでは、環境に配慮した商品として「スコッティ フラワーパック 3倍長持ち4ロール(ダブル)」や「スコッティ フラワーパック 3倍長持ち4ロール(ダブル)〈無香料〉」などの3倍長持ちシリーズを展開している。
3倍長持ちシリーズのトイレットペーパーは、1ロールの長さが従来品の3倍となる75mあり、4ロールが従来品の12ロールに相当する。そのため、従来品の12ロールと同じ量のトイレットペーパーを4ロールで運べ、輸送効率に優れ、トラックで1度に多くのトイレットペーパーを運べるため、運搬で生じるCO2の量を減らせる。さらに、使用済み紙パックなどをリサイクルして生産したパルプを材料の一部に採用している。
日本製紙クレシアの説明員は「使用済みPETボトルの回収量と比べ、使用済み紙パックの回収率は低いのが現状だ。全国牛乳容器環境協議会が発表した資料によれば、2021年度の紙パックの回収率は38.8%で、ペットボトルの回収率は86%だった。そのため、今回のブースでは紙パックのリサイクルについても来場者に啓発する」と話す。
紙パックのリサイクル手順に関して、同社ではまず、一般家庭、学校、スーパーマーケット、印刷工場から回収した使用済み紙パックを回収し、工場に集積する。次に、工場のパルパーで紙パックを溶かした後、バラバラになった紙とフィルムをスクリーンという機械で分ける。紙は再生パルプとしてティッシュやトイレットペーパーの材料としており、フィルムはプラスチックペレットや固形燃料(RPF)として使用している。
説明員は「今回のブースを構成するほとんどの素材がリサイクルあるいは再利用できる。例えば、展示物を紹介するパネルの素材には日本製紙グループの富士革新素材研究所が開発したパルプと無機物の複合体『ミネルパ』を採用した。ミネルパはセルロース繊維と人体に安全な材料から成る素材で、リサイクル可能な他、シート、モールド、ボード、粉砕パウダー、脱水パルプなど、さまざまな形状に加工できる。これらの取り組みにより、展示会の出展でほとんどごみを出さないようにしている」とコメントした。
地球上の資源には限りがあり将来に枯渇が起きると懸念されている。英国のロンドンに本社を構える国際エネルギー企業のBPが2020年に発表した「BP Statistical Review of World Energy 2020」で、今後採掘が可能な期間として、石炭を132年、石油を53.5年、天然ガスを49.8年と予想した。
一方、海洋ごみの問題も深刻化している。スイスのダボスで開かれた世界経済フォーラムで発表された資料では、海洋プラスチックごみの量が2050年に海にいる魚の量を重量ベースで上回ると予測した。
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