ブリヂストンは、東京都内で記者向けの勉強会を開き、タイヤの水平リサイクルの現状と取り組みについて発表した。
ブリヂストンは2025年6月18日、東京都内で記者向けの勉強会を開き、タイヤの水平リサイクルの現状と取り組みについて発表した。
タイヤのリサイクルでは日本、米国、欧州ともに、「燃料利用(サーマルリサイクル)」や「他製品へのマテリアルリサイクル」が主流だ。日本は2023年時点でタイヤの再利用率が99%(年間78万トン)で、そのうち85%がサーマルリサイクル、14%がマテリアルリサイクル、その他が1%となる。米国は2017年時点でタイヤの再利用率が81%(年間419万トン)で、そのうち43%がサーマルリサイクル、33%がマテリアルリサイクル、16%が埋め立て、その他が5%、輸出が3%だ。欧州はタイヤの再利用率が94%(年間390万トン)で、そのうちサーマルリサイクルが28%、マテリアルリサイクルが49%、リトレッド/リユースが10%、輸出が7%、その他が6%となる。
こういった状況を踏まえて、ブリヂストンではタイヤのサステナビリティビジネスモデルの構築や水平リサイクルを推進している。
同社のサステナビリティビジネスモデルは、「創って売る」のプレミアムタイヤ事業(コア事業)や「使う」のソリューション事業(成長事業)、「戻す」のリサイクル事業から成る。
プレミアムタイヤ事業では、タイヤの開発、調達、生産、販売を対象に新規資源投入量の低減やCO2排出量の削減を進めている。
ソリューション事業では、顧客のタイヤ使用段階におけるCO2排出量を減らす目的で、メンテナンス/リペア、使用済みタイヤの回収、摩耗したタイヤのトレッド部分を新しいものに交換して再利用するリトレッドを展開している。
ブリヂストン グローバルサステナビリティ戦略統括部門長の稲継明宏氏は「ソリューション事業では月額制のソリューションサービスとしてリトレッドを提供している。最適なメンテナンスでタイヤを長く使えるようにし、2回のリトレッドで資源を有効活用した後、リサイクルすることを推奨している。一例を挙げると、3本の新品タイヤを使用した場合と比べて、低燃費タイヤを2回リトレッドして利用したケースでは、資源使用量を50%減らせ、温室効果ガス(CO2換算)排出量を51%削減できる」と話す。
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